【 2009/10 】

ストレス緩和効果で緑茶にニーズ

穀類、大豆、魚をベースとした和食により日本人の長寿体質がもたらされたといっても過言ではない。加えて、もう一つ、忘れてはならないのが緑茶。米国では、緑茶の高血圧や高コレステロール、がんなどへの有用性に着目し、研究を盛んに進めている。

競争社会、ストレス社会といわれる米国では、カバカバやセント・ジョンズ・ワートなどリラックスをもたらすハーブのニーズが根強いが、ストレス緩和作用で緑茶も注目されている。

最近の報告では、日本の研究だが、American Journal of Clinical Nutrition誌09/10月号が、緑茶はストレス緩和に有用であると取り上げている。それによると、Tohoku University Graduate School of Medicine研究者グループが、40歳以上の日本人42,093名を対象に調査したところ、6.6%がストレスを抱え、緑茶摂取との関連性では、5杯以上/日を摂取する人は1杯未満の人と群に比べ、ストレスの発現が20%低いことが示唆されたという。

緑茶は、米国ではドラッグストアーなどで錠剤タイプも人気だ。インターナショナル・リサーチ・インスティテュート(1998年7月12日付け)の調べでは、量販店における売上げ上位のハーブ・サプリメントの中で、伸長率で緑茶がセント・ジョンズ・ワートに続いて第2位にランクインしている。

2000年になると、緑茶の売り上げは1億ドルに到達(Tea Council of the USA)。緑茶研究では、緑茶の強力な抗酸化成分、ポリフェノールのエピガロカテキンガレート(EGCG)の疾患への有用性に研究者らの関心が集まる。

医療従事者らも健康のために炭酸飲料ではなくお茶を薦めるようになり、緑茶産業に弾みがつく。そして現在、長期景気低迷によるストレスで、リラックス作用のある緑茶に米国民は手を伸ばし、緑茶市場はさらに拡大基調を辿っている。

この他、緑茶に関する有用性報告では、Cancer Prevention Research誌09/7月号が、緑茶ポリフェノールは前立腺がんのリスク低下に有用であると報じている。

また、Journal of Nutrition誌09/2月号は、緑茶成分が乳がん予防に有用であると報じている。Vanderbilt School of Medicine研究者グループが、20歳から74歳の乳がん患者3,454人と健康体被験者3,474人を比較調査。被験者から、緑茶摂取習慣などをヒアリングした結果、定期的に緑茶を飲む群は全く飲まない群と比べ、乳がんリスクが12%低くなっていることが分かったという。

Copyright(C)2009 JAFRA. All rights reserved.|HOME >