【 2009/11 】

ウォルナッツ(くるみ)、コレステロールカットに有用

11月9日、厚労省が「平成20年国民健康・栄養調査結果の概要」を発表した。それによると、男性は、肥満者の割合の増加が鈍化傾向にあるという。また、メタボリック対策の必要性がマスコミで喧伝されたせいか、男女とも意識的に身体を動かす運動を行う者も増えているという。

ただ、これにより肥満が解消方向にあると判断するのは早計であろう。「朝食欠食の状況」を年次推移でみると、成人男子の欠食率が増加。とくに男女とも20歳代が最も多く、男性が30.0%、女性が26.2%。つまり、欠食率の増加により肥満者が減少傾向にあるとの見方もできる。

11月12日、東京ビックサイトで「生活習慣病対策展2009」が開催され、その中で、「消費者の食トレンド予測」をテーマにセミナーが行なわれた。 セミナーでは、都内で働く20代〜50代の男性500名を対象に実施した「食生活に関するアンケート」の分析結果が報告された。 この中で、「朝食の摂食率」をみると、既婚者が65%、未婚者が18%。つまり、未婚男性の8割強が朝食欠食、また6割強が「朝食を外食で済ませる(コンビニのおにぎりやサンドイッチを含む)」ことが明かとなった。

「朝食欠食」、摂っても「コンビニ食」。これが多くの未婚男性の実情だ。「欠食」によるメタボ改善より栄養不足から免疫力の低下や「生活習慣病」の発症が懸念される。
忙しく、しっかり食事も摂れない現代人。「朝食欠食」で摂り損ねた栄養素をウォルナッツ(くるみ)や果物で手軽に補給するのもいいだろう。 糖尿病やメタボ対策にも役立つ。

最近の研究では、ウォルナッツは糖尿病患者の心臓健康維持に有用であると、Diabetes Care誌09/11月号が報じている。Yale University School of Medicine研究者グループが、2型糖尿病患者24例(平均年齢58歳、男性10例、女性14例)に、ウォルナッツ(56g/日)を含む食事、または含まない食事を8週間与えた。結果、ウォルナッツ投与群はFMD(血管内皮機能検査)による心臓血管バイオマーカー評価が2.2%改善したことが分った。非投与群の改善率は1.2%だったという。さらに、投与群の総コレステロール値、LDL値とも低下したという。

他にも、ウォルナッツがコレステロールカットに有用であることが報じられている(American Journal of Clinical Nutrition誌09/7月号)。
ハーバード大学研究者グループが、総数365人が参加した13件の研究(各研究期間は4〜24週間。摂取されたウォルナッツは総カロリーの10〜24%)を分析。 結果、ウォルナッツを含む食生活は総コレステロール値およびLDLコレステロール値を有意に低下させたことが分ったという。

また、果物ではライチがメタボ患者のダイエットに有用であると、Journal of Functional Foods誌09/11月で報じている。
Hokkaido Information Universityなどの研究者グループが、ウエスト周りが85cm以上の成人被験者18例(24〜59歳)に、ライチ成分のオリゴノール(50mg/日)、またはプラセボを10週間与えた。結果、オリゴノール投与群ではウエストが約3cm減少。また、皮下脂肪が6%、内臓脂肪も15%減少したことが分ったという。

Copyright(C)2009 JAFRA. All rights reserved.|HOME >