【 2009/12 】
抗酸化ビタミン、腸の健康や免疫力アップに貢献
2009年12月9日(水)、「第3回 In vivo 実験医学シンポジウム---食品の機能性/安全性評価へのin vivo 実験医学の応用」が学士会館で開催。この中で、上野川修一教授(日本大学生物資源科学部)が「食品と免疫」と題して、最新研究を報告した。
上野川氏によると、腸には100兆の常在菌が棲み、免疫システムにおいて腸管が重要な役割を果たすという。納豆や味噌など、日本人の伝統的な食事は腸の有用菌を増やし、腸管免疫の健全化に貢献しているという。
また、免疫機能を高め、疾病罹患リスクを低減させる栄養成分として、プロバイオティクスといわれる乳酸菌などの腸内有用菌、ビタミンA、C、E、亜鉛、セレンなどを挙げた。
ビタミンA、C、E、は抗酸化ビタミンだが、最近も、こうした栄養成分が腸の健康に関与していることが、American Association for Cancer Research Frontiers in Cancer Prevention Research Conferenceで報告されている。
イタリアのNational Institute for Cancer Research研究者グループが、1個あるいは複数の大腸ポリープ切除を経験した被験者411例(25〜75歳)にプラセボか抗酸化サプリメント(セレノメチオニン200mg、亜鉛30mg、ビタミンA 6000IU、ビタミンC 180mg、ビタミンE 30mg)を投与。13年間観察したところ、抗酸化物質投与群では、大腸のアデノーマ発現が40%減少したことが分ったという。
また、ビタミンB群の葉酸についても、結腸がんの再発予防に有用であるとの報告もある(American Journal of Clinical Nutrition誌09/11月号)。
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