【 2010/3 】

フラボノール(ポリフェノール)、隠れメタボ対策にも有用

見た目、お腹ポッコリだとメタボ腹と指摘され、なにかと肩身の狭い思いをしてきた男性達も多いかも知れない。 しかし、3月12日付けの朝日新聞によると、厚生労働省研究班が行った調査では、腹囲に関係なく、血圧や血糖値などのリスクファクターが重複するとメタボリック症候群と同様に心筋梗塞や脳卒中を引き起こす恐れがあることが判ったという。お腹ポッコリでなくとも、“隠れメタボ”の可能性を誰もが否定できなくなったということである。

研究は全国の40-74歳の男女約3万人を対象に行ったもので、現在、メタボの判定基準の腹囲は男性が85センチ以上、女性が90センチ以上とされているが、基準以下でも血圧や血糖で検査値異常が増すと、心筋梗塞や脳卒中といったメタボリック症候群のリスクが高まることが明らかになったという。

メタボリック症候群は、高脂血症や高血圧、糖尿病、肥満などのリスクファクターが重複し、動脈硬化が起きやすくなる病態をいう。動脈硬化が進むと、心筋梗塞や脳梗塞の発症へと繋がる恐れがある。リスクファクターが軽症でも3,4つ重なると発症リスクは10倍以上になるといわれている。

厚生労働省研究班は、肥満やメタボ関連要因と死亡との関連についても調査を行っている。

岩手、秋田、長野、沖縄、東京、茨城、新潟、高知、長崎、大阪など11保健所管内に住む40〜69歳の男女約3万4000人を対象に、2005年まで約13年追跡調査をした。結果、肥満でなくても、2個以上のメタボ関連要因が集積した場合、男性で、全死亡と循環器疾患死亡、女性で全死亡のリスクが高まることが分かったという。

食生活でのメタボ対策について最近の研究では、フラボノール(ポリフェノール)の有用性が報告されている。Journal of Nutrition誌10/2月号で、タマネギやリンゴのフラボノールが脳卒中予防に有用であると報じている。

Wageningen University研究者グループらによる研究で、コホート試験6件(女性111,067人)のデータを分析。経過観察期間は6〜28年。結果、タマネギ、リンゴ、ブロッコリー、紅茶のフラボノールの高摂取群は低摂取群に比べ、リスクが20%低下していることが分ったという。

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