【 2010/4 】

玄米菜食の効用、セレンやマグネシウムなど

がんと糖尿病は、戦後急速に増えていった疾患だが、共通しているのはその発祥原因が食習慣によるところが大きいということであろう。

2010年4月14日(水)、「玄米力・酵素力」(マイ・ブック新書刊)の著書、真山政文氏が、食養セミナー「玄米力・腸能力・酵素力」で、糖尿病対策に玄米菜食が有効であることを説いた。

小学生が糖尿病を発症するのはもはや珍しくない。高校生においても高血糖の症状がみられるなど糖尿病予備軍のローティーン化が懸念されている。

糖尿病については、戦後、白米や加工食品を多く摂るようになった食習慣が招いた、いわば代謝疾患ともいわれている。血糖値のコントロールに問題が生じたもので、これを正常に戻すには、食物繊維を多く含む食品が有用とされる。すなわち、玄米菜食のような食事が血糖の急激な上昇を抑え、インシュリン分泌を緩やかなものにする。

食物繊維は野菜に多く含まれるが、野菜には食物繊維以外にも微量ミネラルを含み糖尿病対策に有用だ。

最近の報告では、Nutrition & Metabolism誌10/4月号で、野菜などに多く含まれる微量元、セレンが血糖値の正常化に関与するという記事が掲載されている。 University of Montpellier I研究者グループがフランス在住の健康体被験者1,162例を対象に9年間研究を行った。

この間、異常血糖が男性で70例、女性57例が確認された。研究開始時の血中セレン値は男性で平均1.08マイクロモル/L、女性は1.1マイクロモル。

研究の結果、男性の血中セレンの最多群(1.19〜1.97マイクロモル)では最少群に比べ、異常血糖リスクが50%減少することが分った。ただ、女性では、この影響は認められていないという。

ところで、真山氏は、糖尿病を防ぐ食事は、がんやほとんどの病気にも良いと講演で述べているが、実際に玄米食を主体とするマクロビオティックでも、がんの予防・改善における有用性が報告されている。

米ぬかにはマグネシウムなどの必須微量ミネラルが多く含まれるが、Journal of Nutrition誌10/4月号で、マグネシウムが大腸がん予防に有用であるという記事を掲載している。

日本のNational Cancer Center研究者グループによるもので、平均年齢57歳の87,117例を対象に8年間研究を行った。

被験者に食品頻度調査を用いてマグネシウムの摂取状況を測定したところ、男性で284mg/日、女性279mg/日だった。期間中に689例(男性)、440例(女性)の大腸がんが認められたという。

報告によると、男性のマグネシウム摂取最多群(327mg/日以上)では最少群に比べ、大腸がんリスクが52%減少することが分ったという。

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