【 2010/8 】

野菜・果物、1日350g目標でメタボ対策

野菜・果物といえば、メタボ対策のダイエットにアンチエイジング、さらにはがんのリスク低下と効用は幅広い。 アメリカでは、1971年、ニクソン大統領ががん撲滅宣言し、禁煙や食事改善など国をあげてのがん戦略が成果をあげ、年々がん罹患・死亡率が減少している。

がん撲滅対策の中でも、大きく貢献しているのが、やはり食事改善運動。アメリカでは、野菜・果物の摂食を薦めた「5(ファイブ)a day」がよく知られる。「1日に5皿以上の野菜(350g)と200gの果物を食べよう」という運動で、「低脂肪・高食物繊維」食品を努めて摂ることがスローガンとなった。

一方、日本はというと、昭和48年(1973年)にアメリカの大手ハンバーガー・ショップ、マクドナルドの第1号店が登場し、以降若年層を中心に、肉の摂食が盛んになり、コレステロール値では、アメリカの子供たちより日本の子供たちのほうが高くなるという現象が見られるようになる。
そうした状況に対し、もっと野菜をたくさん摂る必要があるという栄養学者らの声が日本で高まっている。

2010年8月31日(火)、東京都ヤクルトホールで、社団法人日本栄養士会主催の「野菜を食べよう―メタボ撲滅―シンポジウム2010」が開催。8月31日を「ヤサイの日」とし、「野菜たっぷり350(サンゴーマル)運動」の宣言が行われた。

日本での野菜の摂食状況について、日本の健康・栄養政策を推進する「健康日本21」では、日本人の野菜の摂取量の目標を一日350gとしているが、2007年の中間報告では267g。

野菜・果物については、2003年、WHO(世界保健機構)でも「生活習慣とガンの関連」で、がんのリスク低下要因として「野菜・果物」の摂食を挙げている。

野菜・果物の効用についての最近の報告では、SIBR Research研究者グループが、空腹時血糖異常をきたす被験者19例にかんきつ類エキス(1050mg/日)かプラセボを84日間与えたところ、総コレステロールおよびLDLコレステロール値がそれぞれ13%、23%改善したことが分かったという(Journal of Functional Foods誌10/8月号)。


また、野菜に含まれるカロチノイド色素のルテインとビタミンAの併用は視力低下の予防に有用であることが、Archives of Ophthalmology誌10/4月号に掲載されている。

Massachusetts Eye and Ear Infirmary研究者グループが、18歳から60歳で非喫煙の色素性網膜炎患者225例を対象に4年間研究を行った。被験者にはビタミンA単独(15,000IU)またはビタミンA+ルテイン(12mg/日)が投与された。

結果、両群とも総合的な視力低下には影響が認められなかったが、ビタミンA+ルテイン群では中間周辺視野の視力低下が有意に抑制されたことが分ったという。

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