【 2010/10 】
高齢者、緑茶やビタミンBで疾患対策を
10月11日付けの朝日新聞で、高齢者の体力がここ10年ほど向上していることを報じている。文部科学省の「体力・運動能力調査」によるもので、調査は09年5〜10月に実施。調査開始の1998年以降、65歳以上の高齢者の握力や脚力などが向上していることが分かった。
こうした背景には、健康ブームがあり、65歳以上の男女とも週1回以上何らかの運動をする人の割合は20〜64歳の全体平均を上回っているという。
65歳以上の高齢者といえば、懸念されるのが、がんやアルツハイマー症といった疾患への罹患。現在がんは2人に1人が罹患し、3人に1人が亡くなるともいわれている。こうした統計の数字については、戦後の欧米食の偏りがもたらすがん罹患人口の増加、また高齢者の人口増が考えられている。
高齢者のがん罹患については、まずDNAの損傷があげられる。DNAの損傷は食や生活習慣に起因する過剰な活性酸素の発生でもたらされることが指摘されている。
国立がんセンターの「がん予防の12カ条」では、喫煙を控える、日光に当たりすぎない、など遺伝子を損傷すると考えられるリスクファクターを生活の中から排除することを掲げている。
DNA損傷の防止に役立つ食とはどのようなものか。最近の報告では、緑茶が有用であることが報じられている。British Journal of Nutrition誌10/9月号に掲載された記事によると、The Hong Kong Polytechnic University研究者グループが、健康体被験者18例を対象に、被験者に1%の緑茶を2杯/日か水を毎日4週間与え、6週間のウォッシュアウト期間後、試験を続行し、各試験の前後に血液と尿を採取した。採取サンプルでDNA損傷修復酵素を測定したところ、緑茶摂取でDNA損傷が20%低減したことが分かったという。
|