【 2011/1 】

メタボ対策、緑茶や魚油で

1月23日付けの朝日新聞によると、メタボ健診で2009年は14.7%が該当したことが、厚労省の集計で明らかになったという。

メタボ健診は、2008年4月より、40歳〜74歳を対象に開始。検査項目は、腹囲が、男性85cm以上、女性90cm以上、又はBMIが25以上。血糖値は、空腹時血糖値が100mg/dl以上又はHbA1c5.2%以上。高脂血症は、中性脂肪が150mg/dl以上又はHDLコレステロール40mg/dl未満。高血圧は、収縮期血圧130mmHg以上又は拡張期血圧85mmHg以上。

今回の集計では、予備軍を含めると4人に1人がメタボのリスクを抱えていることになるという。 すぐに重篤な疾患に繋がるわけではないが、日頃の栄養管理や運動によりリスク低下を図ることが必要だ。

メタボのリスクについては、メタボリック症候群の男性は、うつ病になる恐れが2倍以上という報告もある。九州大学が、2007年度に健診した40歳以上の男女3025人に聞き取り調査を行ったところ、メタボの男性の7.3%にうつ症状がみられ、メタボではない男性と比べると2.3倍罹患リスクが高いことが分かった。女性については、うつ症状との関連性は見られなかったという。

一方で、高齢の男性は少し太めのほうが長生きするという研究データもでている。筑波大や独協医科大などのグループの研究で、93年度に健診を受けた40-79歳の男性3万20000人、女性6万2000人を対象に、2003年まで追跡調査したところ、60-70代ではBMIが25.3の人が死亡率が最も低かったという。

近年、日本でメタボ対策が叫ばれるようになったが、米国ほど肥満者があふれているというわけでもない。米国では日本の伝統食素材の機能性に着目し、中でも、緑茶や魚油の成分の研究が盛んだ。

メタボ対策に関連するもので、最近の報告では、緑茶抽出物が糖尿病予防に有用であることが、British Journal of Nutrition誌10/12月号に掲載されている。 Virginia Polytechnic Institute and State University研究者グループによるもので、マウスを2群に分け、食餌あるいは食餌+EGCG(緑茶抽出物)0.05%を飲料水に溶かしたものをそれぞれ与えた。


結果、糖尿病を発症した割合はEGCG投与群では25%(12例中3例)のみだったが、食餌のみでは67%(12例中8例)あったことが判明した。また、EGCG投与群の方が一定してインスリン値が高かったという。

また、魚油に含まれるオメガ3脂肪酸が太りすぎの若者の循環器系の健康維持に有用であることが、The Journal of Pediatrics誌10/10月号に掲載されている。 Copenhagen University、Technical University of Denmark研究者グループによるもので、13歳から15歳で中等度に太りすぎた若者78例に、オメガ3脂肪酸1.5mg/日か、プラセボ(サラダオイル)のどちらかを16週間与えた。結果、オメガ3脂肪酸投与群はプラセボ投与群に比べ、収縮期圧が3.8mmHg低下したことが分かった。また、拡張期圧は2.6mmHg低くなっていたという。

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