【 2011/3 】
ホエイプロテイン、血中の脂質改善に有用
3月6日、有楽町朝日ホール(東京)で、動脈硬化予防フォーラム「動脈硬化予防と健康ライフ」(主催:第28回日本医学会総会)が開催された。
この中で、「動脈硬化予防のために/今日からできる栄養管理」と題して、牧野直子氏(管理栄養士)が講演。動脈硬化を防ぐには、「悪玉LDLコレステロールを増やさない、善玉HDLコレステロールを減らさないこと」が大切、魚、野菜、きのこ類、海藻、大豆食品など積極的に摂って欲しいとした。
日本で、動脈硬化症はがんに次いで第2位の死因。近年、動脈硬化を招かないためにメタボリック対策が叫ばれている。肥満はメタボのリスクファクターの一つであるが、体脂肪を1キロ落とすためには、約7000キロカロリーを減らす必要がある。そのためには、毎日約250キロカロリーずつ1カ月かけて減らせばいいと牧野氏。ちなみに、250キロカロリーは、ビール大びん1本、ごはんは茶わん1杯、スナック菓子は2分の1袋という。
ともあれ、動脈硬化を防ぐには、まず適切な食事を摂ること。また、適度な運動も大切である。
厚生労働省は、年々高騰する医療費抑制の一貫として、健康寿命を延ばすための「Smart Life Project(スマート ライフ プロジェクト)」を立ち上げ、2月17日より、賛同する企業や団体の受付を開始した。このプロジェクトが提案するのは、「適度な運動」「適切な食生活」「禁煙」といった3つのアクション。「適度な運動」では、毎日10分の運動、「適切な食生活」では、1日350gの野菜の摂食を薦めている。
最近の報告では、ホエイプロテインが血中の脂質改善に有用であるという報告が、Clinical Nutrition誌11/2月号に掲載されている。ホエイプロテインは、牛乳が原料で、吸収に優れていることが特徴。University of Lausanne研究者グループは、BMI(ヒトの肥満度を表す指数)が30.9〜52.4で、IHCL(肝細胞内の脂質濃度)が肝臓容積の1.9〜20.5%を占める患者群に、ホエイプロテインを60g/日、4週間与えた。結果、IHCLが21%、空腹時血漿トリグリセリド値が15%、コレステロールが7%減少したことが分かったという。
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