【 2011/5 】

アントシアニン、パーキンソン病罹患リスクを低下

2010年5月19日(木)、東京ビックサイトで「第9回ヘルスフードエキスポ HFE JAPAN2011」が開催された。この中で、世界的なアントシアニン研究の第一人者であるThomas Eidenberger博士が、「ビルベリーエキス(アントシアニン)の吸収性理論」と題して、最新研究の発表を行った。

ビルベリーには150種類以上も近縁種があり、西洋、特に北欧で古くから食されている。ビルベリーに多く含まれるアントシアニンは、目に含まれるたんぱく質のロドプシンの再合成する働きがあり、明暗順応や視力を高める作用が報告されている。

天然色素成分のアントシアニンは、多くの植物に含まれるが、トーマス博士らの研究チームによると、眼病対策としてのアントシアニンは、ビルベリー由来のものが最も吸収性が高く、アントシアニンを一定量、継続して摂取すると眼の血流量を増やし、まぶしさなどの不快な症状の緩和に役立つという。

最近の報告では、アントシアニンがパーキンソン病の予防に有用であることが、4月開催のAmerican Academy of Neurology学会で発表された。 Harvard School of Public Health研究者グループによるもので、男性50,000人、女性80,000人が参加したHealth Professional Follow-up Study、Nurses' Health Studyを基に、フラボノイド摂取とパーキンソン病罹患との関連性を分析した。フラボノイドは特にお茶、ベリー類、りんご、赤ワイン、オレンジ/オレンジジュースの5種類を調べた。


それによると、男性グループは、フラボノイドの最高摂取群は最低摂取群に比べ、パーキンソン病罹患リスクは最大40%低くなることが分かった。一方、女性グループでは、有意な関連性は見られなかったが、アントシアニンを定期的に摂取した場合は、男性、女性ともに罹患リスクが低くなることが分かったという。

また、ブルーベリーが糖尿病予防に有用であることが、Journal of Nutrition誌2010/9月号に掲載されている。Louisiana State University System研究者グループが、インスリン耐性で糖尿病の兆候が無い肥満患者32例(平均年齢51.5歳、平均BMI37.4kg/m2)に、ブルーベリー 22.5gを含有するスムージー(シャーベット状飲料)か、プラセボスムージーを毎日、6週間与えた。結果、ブルーベリースムージー投与群の67%に、10%以上のインスリン耐性改善が見られたことが分かったという。

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