【 2012/4 】

ビタミンD、子宮筋腫など女性特有の疾患に有用

3月31日から4月4日にかけて、American Association for Cancer Research's 2012 Annual Meetingが開催された。この中で、アブラナ科野菜の摂取が乳ガン生存率に影響を及ぼすという研究発表が行われた。

Vanderbilt UniversityおよびShanghai Centers for Disease Control and Preventionの研究者グループによるもので、Shanghai Breast Cancer Survival Study(2002年〜 2006年)に参加した4,886例のデータを用いて生存率や食生活を調べた。

患者がステージ1〜4の乳ガン診断後、6か月、18か月、36か月後の生存率を調べたところ、カブ、バクチョイなどアブラナ科野菜の摂取を増やした群はその他の患者群と比較して総死亡率が27〜62%、乳ガンの死亡率が22〜62%、再発リスクが21〜35%低下したことが判明したという。

米国では、女性では乳ガンの罹患率が高く、その対策に追われている。一方、日本はというと、子宮頸ガンの予防が話題になっている。2月22日に、イイノホール(東京都千代田区)で、「子宮頸ガンは早期発見から予防の時代へ」と題したシンポジウムが開催された。

子宮頸ガンのほとんどがヒトパピローマウィルス(HPV)の感染により引き起こされるといわれている。子宮頸がんの検診は1961年に開始、1982年以降は老人保健事業に組み込まれるなど、検診受診者は400万人を超えたが、1998年に検診費用が一般財源化されると受診者が減少し、現在は200万人強に。受診率は30%以下で、OECD加盟国の中では最低水準という。

女性特有の疾患の改善に有効な栄養素についての最近の研究報告を幾つか挙げよう。
ビタミンDの摂取は子宮筋腫の縮小に有用であると、Biology of Reproduction誌12.3月号が報じている。 Reproductive Sciences Branch of the NIHなどの研究者グループが、遺伝的に子宮筋腫を発症させたラット12匹をビタミンD投与群か非投与群に分けた。投与群にビタミンD 1400IU相当量/日を与えたところ、3週間後、非投与群の腫瘍サイズが増大したが、投与群は非投与群に比べ腫瘍サイズが75%縮小したことが分かったという。 

また、同じくビタミンDが月経困難症の症状軽減に役立つと、JAMA's Archives of Internal Medicine誌12.3月号が報じている。
University of Messina研究者グループが、生理周期時に疼痛など不快な症状を訴える女性40例を対象にビタミンD投与を試みた。被験者には、ビタミンD3を300,000IUか、プラセボを次の生理周期前の5日間与えたところ、ビタミンD投与群では疼痛スコアが41%減少したことが判明した。一方、プラセボ群には変化が認められなかったという。

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