【 2012/7 】

オメガ3脂肪酸、心不全リスク予防に有用

全国納豆共同組合連合(以下全納連)が、2012年7月3日(火)、2012年度「納豆クイーン表彰式」を開催した。全納連には、日本全国の納豆メーカーが加盟し、納豆の普及と需要拡大に努めている。

納豆にはナットウキナーゼやポリアミンをはじめとする機能性成分が含まれる。日本の長寿体質を支えてきたパーフェクトフードとして納豆の評価は海外でも高まっている。

ナットウキナーゼは納豆の粘りに含まれるタンパク質分解酵素で、体内で血栓の元となるタンパク質を分解する作用があることが近年明らかとなっている。これにより、血栓予防効果による血圧降下や血流改善が期待されている。

ポリアミンはすべての生物の細胞内でアミノ酸から合成される物質で、2種類(スペルミン、スペルミジン)ある。加齢とともに減少するが、ポリアミン濃度を高めることにより、動脈硬化の促進を防ぎ、老化を抑制することが報告されている。

心筋梗塞や脳梗塞は日本人の死亡原因トップ3に入る疾患だが、これらに血栓が関与することから、納豆を1日1パック(50g)食べることが予防に役立つともいわれている。

心筋梗塞や脳梗塞予防に役立つ栄養成分についての最新の研究報告をいくつか挙げてみよう。
オメガ3脂肪酸は心不全リスク予防に有用であると、Clinical Nutrition'12.6月号で報じている。
Brigham and Women's Hospital、Harvard University研究者グループが、7件の後向き研究のメタ分析を行った。これには、被験者176,441例、心不全症例5,480例が含まれる。分析の結果、オメガ3脂肪酸のエイコペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)の血中濃度が最多群は最低群に比べ、心不全リスクが14%低いことが判明した。また、魚摂取を1日15g増加すると、心不全リスクは5%、EPAおよびDHAの125mg/日の増加では、心不全は3%低下したことが判ったという。


また、マグネシウム摂取は心臓病予防に有望であると、Atherosclerosis'12.6月で報じている。 40歳から79歳の日本人健常被験者58,615例の14.7年にわたる経過を観察したJapan Collaborative Cohort(JACC)Studyによると、マグネシウムの最多摂取群では、心臓病による死亡リスクが50%減少していることが分かった。研究対象期間中に心血管疾患により2,690例が死亡しているが、研究者らは、カルシウム、カリウムの属性を考慮に入れても、心血管疾患による死亡リスク減少とマグネシウム摂取との関連性は維持されるとしている。

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