相次ぐ代替医療シンポ、食品の機能性に注目集まる
日本における西洋医療が変革期を迎えつつある。近年膨れ上がる国民医療費。続発する感染症。日本の医療界は混迷の度を増す一方だが、こうした中、日本で西洋医療から代替医療への本格的な取り組みが始まりつつある。

代替療法とは漢方、鍼灸、栄養療法、さらには瞑想やアーユルヴェーダ医学なども含む伝承・伝統医学で、西洋医学の範疇にないもの。 昨年10月10日には名古屋で「癒しの時代とエネルギー医学の可能性」をテーマに「第1回統合医療シンポジウム」が開催。微細エネルギーの医療への活用を中心にCAMU Networkの藤波襄ニ代表や日本ホリスティック医学協会の帯津良一代表の講演が行われた。

また11月22日、23日の両日には金沢で「薬効食品の医療への応用」を掲げ、「第1回日本代替医療学会学術集会」(主催:日本代替医療学会 会長・水上稔)が開催された。ここでは、特に食物・食品の持つ機能性・薬効に焦点を当てたフォーラムが開かれ、キノコ、イチョウ、スピルリナ、大麦若葉など日本の医療現場でも注目されつつある素材の機能性が紹介。さらに、「世界の代替医療の現状と未来」と題したパネルディスカッションでは海外から北京中医薬大学教授の慮氏らシンポジストを迎え、薬効食品の役割など活発な討論が交わされた。

また12月20日には、砂防会館別館(東京都千代田区)で「日本代替・相補・伝統医療連合会議(JACT)」の第一回設立記念講演会が開催された。同連合会議は日本における西洋医学界の権威であり、人工臓器、レーザー医療の開発でも知られる渥美和彦氏が日本の代表的な代替医療の学会・協会の各代表に参集を呼びかけたもの。当日、日本東方医学会、日本ホリスティック医学協会、全日本鍼灸学会、日本歯科東洋医学会、日本東洋医学会、日本温泉療法医会、アーユルヴェーダ研究会、CAMU Network、イスラム医学研究会、国際生命情報科学会の10団体が参加した。

この中で、当連合会議の渥美代表は、「各種薬剤、抗がん剤は副作用が非常に多い。精神と身体を統一的に考えた全体医学を目指す必要がある。心と身体は切り離すことができない。こうした東洋の伝統的な思想が、世界的に起きている」と心身を一元論的にとらえた医療が必要とされるとし、「東西医学はもともと基盤が違うためいいところをとってまとめるということはできないと思う。そこでこれらを超越し、東と西を融合するだけではなくてもう少し高いレベルのものを作りあげる必要がある。これが第三の医学だと思う」と述べた。


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