混合医療解禁へ向け、ドクターズサプリメントに求められる安全性・有効性

2004年12月8日(水)、「現状のサプリメントに欠けている要素―ドクターズサプリメントの期待性 ―」と題して、EBM for Natural Products 推進協議会による第6回セミナーが開催された。大森 隆史氏(銀座サンエスペロ大森クリニック院長)、富永 国比古氏(ロマリンダクリニック院長)、丹羽 正幸氏(丹羽クリニック院長)らによる臨床現場におけるサプリメント使用の状況報告やドクターズサプリメントについてのディスカッションが行われた。

保険診療以上のものを望む患者の声に応えざるを得ない時代に

公的医療機関における混合医療解禁の機運が高まっているが、冒頭、挨拶に立った同協議会の丁会長は、これまでの経緯について次のように述べた。「国民皆保険以前は全て混合診療だった。昭和36年からスタートした国民皆保険は、誰にも最低限の医療を保障するというものであった。それが、いつの間にか最高の上限を規制するものへと性格がかわっていった。これが現在の国民医療保険の問題点となっている。その後、非常に多くの人達がそれ以上の医療を望むようになった。これに何か対応していかなければいけないということで混合医療に戻って行こうという動きになった」。

そのため、医療現場で用いられるドクターズサプリメントについては、「医者が責任を持って安全性・有効性を評価し、患者さんへの自己責任ではなく、医者が責任を負い、患者さんに処方するというのがドクターズサプリメントの本来の定義になるかと思う」と述べた。

また大森氏は、サプリメント使用について、「これまで医療の補完という足し算でやってきたが、思うような結果が得られず、視点を変える必要があると思った。

有害な重金属や有機化合物が人間の自己治癒力に関係しているということに気がつき、それらが体内に残ったままではうまくいかない、足し算だけでなく、引き算も必要と思うようになった」と述べ、食品やワクチンに含まれる水銀などの重金属を排泄することで自閉症や多動障害の改善に繋がった例を挙げた。

サプリメントの安全性、薬剤との相互作用など常に留意が必要

富永氏は、産婦人科医の立場から、サプリメントによる副作用や自身が医療現場で用いてきたドクターズサプリメントの相互作用の一例を紹介。「欧米では消費者が主体になって代替・補完療法を発展させてきた流れがある。我々は、消費者の立場に視線を置いて、安全性ということを常に考えていかなければいけない」と述べた。

また丹羽氏は、漢方を基本にビタミンCなど用いた治療がアトピー性皮膚炎の改善に有効性を示したとして、20数年におよぶ自身の研究成果を披露。「ビタミンCをうまく使うか使わないかによって臨床的な効果が明確に出る。ビタミンCはアトピー性皮膚炎に必須な治療法」と述べた。


Copyright(C)2004 JAFRA. All rights reserved.