2005年9月23日(金)、東京国際フォーラムで世界アルツハイマーデー記念「認知症タウンミーティング」が開催された。当日は、医療編、介護編、パネルディスカッションの3部で構成され、認知症についての詳細な情報、診断や治療の現況などの報告が行われた。
10年後、団塊の世代が65歳以上の高齢者に
先進諸国では高齢化社会の到来に伴い、解決が急務とされる諸問題を抱えている。高齢者特有の疾患である認知症などの対策もその一つ。
介護保険制度が改正され来年の4月から施行されるが、日頃から疾患への予防意識を個々人が高めることが必要とされる。
パネルディスカッションでは、池田武俊氏(厚生労働省老健局計画課認知症対策推進室長補佐)が、高齢者の人口増加にふれ、「1990年に1500万人だった65歳以上の高齢者が、現在2500万人という状況。2015年に団塊の世代といわれる方々がすべて65歳以上の高齢者になる」と述べた。この団塊の世代は、2025年には75歳になり、高齢者人口は3500万人、つまり3人に一人が65歳以上になるという。
高齢者の増加に伴い、認知症の増加が懸念されるが、「認知症の高齢者は現在推定で170万人といわれている。2015年には250万人、2025年には300万人を超えるという状況」という。そのため、認知症ケアの新たなサービスの創生など対策が急務であると、池田氏はいう。
認知症はこれまで痴呆症と呼ばれていたが、侮蔑的な表現であるとの指摘から、現在では認知症という呼称に改められている。長谷川和夫氏(聖マリアンナ医科大学名誉教授)は、「認知症の人の物忘れは健康の人の物忘れとは少し違う。