サプリメント使用、医薬品との相互作用など
医療従事者の支援が不可欠


2007年10月13日(土)・14日(日)、日本大学薬学部(千葉県船橋市)で「第5回日本セルフメディケーション学会」が開催された。(主催:特定非営利活動法人セルフメディケーション推進協議会、後援:厚生労働省、社団法人日本薬剤師会他)
大会会長講演、「サプリメントのエビデンスとその落とし穴」

大会会長講演では、安川憲氏(日本大学薬学部教授)が、「サプリメントのエビデンスとその落とし穴」と題して、わが国のサプリメントを取り巻く問題点や課題について指摘。

長年の生活習慣に由来すると考えられる疾病は、治療よりも予防を優先させたいとのニーズが拡大し、健康増進への関心が高まっている。
中でも、各自の食生活の改善のために手軽に摂取できるサプリメントの利用を否定することはできない、とした上で、とくに植物性サプリメントは、伝統のあるヨーロッパ諸国では医薬品として扱われている物があることを強調。サプリメントを医薬品より安全で健康によいと思いこんでいる人が多いが、医薬品とまではいかないもののそれなりの薬効があるので、医薬品との併用は極めて注意を要すると警告し、薬剤師および登録販売者である医薬品販売者の支援が不可欠であると結論付けた。

また、特別講演として「サプリメント・ハーブと上手につき合おう〜メタボリックシンドローム・更年期障害〜」(統合医療ビレッジ・酒井美佐子氏)が行われたほか、三つのシンポジウムが開催された。

ポスター発表で、多くの研究成果や問題を提起

同時に開催されたポスター発表では、大学をはじめとする研究者や薬局関係者、企業などから、20ものプレゼンテーションが行われた。
「セルフメディケーションと薬学教育」「ドラッグストアにおけるセルフメディケーションンいついて」といった会の趣旨にあったものをはじめ、「ITによる健康食品に関するエビデンスの検索法」「チャーガの癌予防効果に関する研究」、さらに「薬学生が行う小学生に向けたくすり教育」といったユニークな発表が参加者の関心を集めた。 最後に、来年度の第6回学会を10月に名城大学で開催することが発表された。


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