栄養素、多く摂れば摂るほど良いというわけではない
平成21年5月末、日本人の食事摂取基準(2010年版)が厚労省より発表された。同基準は、国民の健康の維持・増進、生活習慣病予防のためにエネルギーや栄養素の摂取基準を示したもの。前回の2005年版から5年ぶりの改定となる。
今回は34種類の栄養素を策定。対象となったのは、1)人の生存、健康の維持・増進に不可欠かつ摂取量が定量的に明らかで、科学的に十分に信頼できる栄養素、2)日本人の生活習慣病予防に深く関わっていることが科学的にも明らかな栄養素。
佐々木教授は、「2005年版と比べ、概念は変わってないが、中身は大きく変わった」と述べ、一例として、上限量が耐容上限量という表現に変わったことを指摘。「上限量は、ここまで食べると健康になれるという量でなく、ここを超えると不健康になるという量」。ミスリードしないよう、耐容という言葉が付けられたという。
耐容上限量で問題になりがちなのが、サプリメントのような栄養強化食品の摂取。「通常の食品を摂っている限り、耐容上限量は考えなくていいが、強化食品を摂ると超える可能性が否定できない」と佐々木氏。通常以外の食品を摂る場合、過剰摂取による健康障害が懸念されるため注意が必要という。
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