「21世紀の統合医療・予防医学」をテーマに
5月17・18日の両日、川崎市産業振興会館で「第3回JIM大会2003」(主催:日本統合医療学会(JIM))が開催された。当日、「21世紀の統合医療・予防医学」をテーマに、基調講演「統合医療の総合的研究を推進する」、市民講座「ビタミン・ミネラルをどう摂るか」、「海外の統合医療報告」など行われた。

8割弱の日本人が過去一年間に何らかのCAM(相補・代替医療)を利用

大会初日、JIM代表の渥美和彦氏は、「統合医療の総合的研究を推進する」と題した基調講演で、「統合医療は世界の医療の大きな流れになりつつあるものの、日本は鎖国状態にある」とし、その要因として、国民皆保の医療制度、西洋医学中心の医学教育を挙げた。

今後、日本における統合医療の総合的研究を推進するために、渥美氏は、1)外国におけるCAMの現状を調査し、わが国の指針とする、2)わが国のCAMを調査し、その実態を把撞し、データベースを作成、3)わが国の医療にふさわしいものを選択するための評価基準を設立、4)統合医療戦略委員会を設立し、制度、教育改革、医療経済、社会心理などの問題を検討、などの課題項目を挙げ、WHO、米国NIH、英国NRC、中国、インドなどと情報交流を行い、協力体制を取る方針を示した。

また、福田早苗氏(京都大学医学研究科)は「日本における代替医療と健康に関する疫学調査」について講演。熊本県小国町町民35歳以上64歳以下の3,501人全員を対象に、代替医療の使用の有無に関して、「漢方薬」、「栄養補助食品/健康食品(カルシウム・ビタミンなど)」、「整体」、「マッサージ」、「イメージ療法/ヨガ/瞑想」、「鍼灸」、「気功/太極拳」、「アロマセラピー/ハーブ」、「温泉」について、使用頻度を聞いたところ、調査対象の約57%(温泉を含めると約8割)が、温泉以外の何らかの代替医療を実施していることが明らかとなったという。

また、山下仁氏(筑波技術短期大学付属診療所)が、「日本における相補代替医療の利用状況」について、2001年4月の電話調査結果を報告。20〜80歳の日本人を対象に調査したところ、76%の日本人が過去一年間に何らかのCAM(相補・代替医療)を利用したことがあると回答したという。

内訳としては、栄養ドリンク43%、サプリメント43%、健康器具22%、薬店のハーブまたは漢方薬17%、マッサージまたは指圧15%、医師の処方した漢方薬10%、アロマセラピー9%、カイロプラクティックまたは整体治療7%、鋭灸7%、ホメオパシー0.3%、その他7%であったという。


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