日本が長寿の原因を分析し、世界に提示する役割

平成14年12月21・22日の両日、東京女子医科大弥生記念講堂で「第6回JACT大会2002」(主催:日本代替・相補・伝統医療連合会議(JACT))が開催された。この中で、JACT理事長の渥美和彦氏は、日本の世界一の長寿国として果たすべき役割を説いた。また、各種代替療法の紹介とともに、西洋医療とCAM(相補・代替医療)の統合化についてのシンポジウムやワークショップが行われた。

国家プロジェクトによる「健康立国」構想を政府に提案

大会初日は、JACT理事長の渥美和彦氏による特別講演「JACTの次にくる波--健康立国」、田中茂男氏(田中外科)による特別講演「エノキタケ抗腫瘍研究30年」、シンポジウム「統合医療の実践と教育」、「CAMとEBM」、ワークショップ「癌治療のCAMの実際」などが行われた。

この中で、渥美氏は、「これからは保健・予防医学の時代へと変わる」と述べ、医学教育の改革を行う必要性を強調した。また、米国での医療従事者145名を対象にした最新の調査「CAMについての医学、看護、薬学の教師の賛成率」(M.J,Kreitzer,2002)を挙げ、「臨床治療は通常医療とCAMの統合がベストである」という問いに、「医学が91%、看護が96%、薬学が94%と高い賛成率を示した」と、米国でのCAMの浸透ぶりを紹介した。

また、「日本は世界一の長寿国として健康・長寿の原因を分析し、世界に提示する必要がある」と述べ、JACT内に検討委員会を設置し、統合医療の総合的研究を行う国家プロジェクトによる「健康立国」構想を政府に提案したことを明らかにした。これにより、海外の代替医療関連の情報収集、統合医療の評価基準・分析方法、各代替療法の有効性・安全性、研究・検討データベースなど実践研究を行い5年、10年、20年の国家保健医療戦略を練るという。

大会2日目は、教育講演「21世紀の医学・ホメオパシー」、ワークショップ「日本における測定・治療機器」、「日本独特のCAM」などが行われた。

また、放送タレントの永六輔氏が、「こうあってほしい日本の医療」と題して講演、「言葉が大事、やさしい響きで面白い言葉、そうした言葉は苦痛を取り除く。我々は、言葉の持つ大きな力をもっと認識すべき」と、介護の際の笑顔や言葉の重要性について語った。


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