バイオブラン(米ぬかアラビノキシラン)、
酵母やクルクミンとの併用など最新研究
を報告〜「バイオブラン研究会2010」


2010年8月1日(日)、東京コンファレンスセンター・品川で、「バイオブラン研究会2010」が開催された。バイオブラン(米ぬかアラビノキシラン)の優れた機能性については、これまでにも様々なエビデンスが発表されている。今回は国内外の研究者、薬剤師らがバイオブランの最新研究を報告した。

バイオブランと酵母エキスとクルクミン
--併用療法の相乗効果について--

UCLA/Drew医科大学 Mamdooh Ghoneum 氏

酵母との併用療法で、ガン細胞の死滅を促進

バイオブラン(米ぬかアラビノキシラン)は米ぬかから抽出した水溶性食物繊維アラビノキシランに、シイタケ菌(DAIWA-A95菌)がもつ酵素を作用させた機能性素材。開発した大和薬品鰍ナは、基礎・臨床研究において10数年におよぶエビデンス(科学的根拠)を蓄積している。現在、バイオブランは国内外49カ国で機能性食品として流通している。

マンドゥー・ゴーナム氏は免疫におけるバイオブランの有用性について長年臨床実験を行なっている。現在、氏が着目しているのが、バイオブランと「酵母」との併用療法。 酵母は古くから人類が用いてきた有用成分の一つだが、醗酵以外に、ガン細胞の死滅に関与することが分かっているという。 ガン細胞に酵母を混ぜると、30分前後でガン細胞は酵母を積極的に食し、結果、ガン細胞は死滅へと至るという。そのメカニズムをゴーナム氏は次のように解説する。

ガン細胞が酵母を食すと、ガン細胞からカルシウムが分泌される。カルシウムはミトコンドリアに吸収され、カスパーゼ9と3が活性化し、結果、ガン細胞が自滅する。
※カスパーゼ:アポトーシス(細胞の自滅)を起こさせる蛋白質分解酵素

こうした酵母の働きをさらに強化させる方法を探求したところ、バイオブランに行き着いたとゴーナム氏。酵母にバイオブランを加えたものをガン細胞に与えると、ガン細胞は酵母単体よりハングリー状態になり、より多くの酵母+バイオブランを食すようになる。酵母単体だと30分で全体の23%のガン細胞が死滅するが、バイオブランを加えたものは78%にまで高まることが判明したという。

クルクミンとの併用でさらに高まる効果

また、クルクミン(ウコン/ターメリック)との併用についても、酵母+バイオブラン+クルクミンでガン細胞にアタックすると相乗効果はより高まり、90 %以上が死滅するという数値が確認されているという。

現在これらの研究は動物実験で行なわれているが、今後、生体でも同様のプロセスを辿るのか研究したいという。現在のガン治療に、食品機能によるサポートを加えることができればガン治療の新たなステージが期待できるとゴーナム氏はまとめた。

丸山ワクチンの症例報告分析とバイオブラン
浜松医科大学 遠藤 雄三 氏

バイオブラン、「食べる丸山ワクチン」

これまで30万人を超えるガン患者に使用され、「ガンの特効薬」として世間的にも注目を浴びた「丸山ワクチン」。その有効成分が「アラビノマンナン=アラビノースとマンノース」であることはすでに知られている。

アラビノマンナンは多糖類、バイオブランのアラビノキシラン(=アラビノース)も非常に稀な糖質で、人体における免疫賦活作用が多くの研究で証明されていると遠藤氏。

丸山ワクチンとバイオブランは糖鎖という共通項はあるものの、丸山ワクチンは皮下注射で直接体内に投入、バイオブランは経口摂取による消化管からの吸収となる。

バイオブランは生体防御調整作用を担い、強い抗酸化作用でガンのイニシエーターを減弱、また抗炎症作用でガンのプロモーターを減弱させる。バイオブランは「食べる丸山ワクチン」ともいえる働きを生体内で展開していると遠藤氏はいう。

こうしたことから、バイオブランは生活習慣病やガン予防、老化予防や動脈硬化予防につながるという。
また、近年増加しているアレルギー疾患についても、バイオブランが補助として役立つのではないかと述べた。

バイオブランの最新研究動向
大和薬品梶@研究開発部部長 加藤 久宜 氏

バイオブランの注目すべき点は、NK細胞の活性ばかりでなく、T細胞やB細胞などの免疫機能全体を賦活する点であると加藤氏。NK細胞が活性化されると体内で二次活性が起こり、免疫系全体の好循環が起こると解説した。

バイオブラン投与で、免疫調整で重要な役割を果たす樹状細胞の活性がみられるが、バイオブランの摂取濃度が高くなるほど活性の高まりが認められるという。

また、バイオブランのマクロファージ活性についても、抗ガン作用が認められているフィチンやフィチン酸よりも高いというエビデンスがある。バイオブランは、分子が小さく腸管で吸収されるため、リンパ球と接して免疫系に積極的に働くというメリットがあり、まさに免疫作用の主役ともいえると加藤氏。

バイオブランのガン細胞の増殖抑制効果、抗ウイルス効果、免疫増強効果、さらに免疫調整作用について、今後ますます新たなエビデンスが期待されるとまとめた。

バイオブラン使用、現場からの報告

薬局の現場から、2名の薬剤師によるバイオブラン使用報告が行われた。
子宮内の高度異形成と診断された40代の女性で、バイオブランを1日に500mg〜1000mg、3ヶ月間摂取して手術に臨んだところ、術後の病理検査結果では、高度異形成ではなかったという診断を受けたというケースがあったという。

また、乳ガン患者の女性が、術後、放射線治療を続けていたが、平行してバイオブランを1日1000mg摂取したところ、抗がん剤、放射線治療を受けても白血球数が1400〜1500をキープ、体力にも影響がなく健康的な日常生活を送れている、という事例も報告された。

また、老人性色素班(シミ)の改善で、腕のシミや目の周りのシミなどが薄くなった、消えたという声も寄せられているという。
この他、不安症の軽減や成長期の子どもの精神バランスの改善などの事例も報告された。

ペットの健康でも、白血病を患った猫にバイオブランを2年間摂取させたところ、白血病が完治したという事例が紹介された。

最後にディスカッションが行なわれ、数多い健康食品のなかでも、バイオブランが特に優れている点は一体何なのか、ゴーナム氏が次のようにまとめた。

バイオブランと他の健康食品の違いは耐性の違い。他の製品は摂り続けて1〜2ヶ月すると耐性を示し、効果が薄れるが、バイオブランは5年間毎日摂取しても、NK細胞などの数値は高いままで継続されるか、上向きに推移していく。こうしたバイオブランの持続性と耐性の差は、他の健康食品にはみられない大きな違いである。


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