薬と毒は両刃の剣、100%の安全は保障できない
クスリはリスク、薬と毒は両刃の剣ともいわれ、薬が毒になるか、毒が薬になるかはその量で決まると吉田氏。薬はどのような摂取方法であっても全身に分布することから、100%の安全を保障できないことが最大の問題点と指摘する。
薬も毒も、人体にとっては明らかに異物である。私たちは病気を治すために薬を摂取するが、どんなに微量でも、体はそれを異物と認識し排出しようとする。
製薬会社は排出されないような薬の開発を続けているが、薬物代謝に重要な役割を果たす体内の代謝酵素は遺伝とも関係しており、個体差がかなりあることも判明している。
異物排泄の代謝で毒物へと変わる場合も
西洋人と東洋人でも代謝酵素は大きく異なる。例えば、ケシに含まれるコデインという成分は体内でモルヒネ化し、鎮痛効果を発揮するが、欧米人の場合、鎮静効果を発揮せずに、毒物に変わるため使用できない。このように、侵入した異物を排泄させるために行った代謝により、その成分が毒物に変わる場合が多々あるという。
コデイン(モルヒネ)については、東洋人であっても副作用として身体的、精神的依存性に陥ることが否めない。従ってアメリカでは遺伝子診断を行ってから薬を処方するという方法が近年用いられるようになっているという。
どのような薬も適量を守らなければ毒になる
私たちがふだん何気なく摂っている物にも発ガン物質を含むものは多くある。例えば、ワラビのプタキロシド、コンフリーのピロリジン系アルカロイドなど。
毒も改良し、正しい使い方をすれば薬になる可能性もあるが、人体の遺伝子レベルでの個体差とも関係するため、十分な注意が必要である。
どのような薬も、適量摂取を守らなければ毒になることは明確で、健康食品においても同様のことがいえるという。
・
・