1970年代から眼のトラブル対策で実用化
ビルベリー由来のアントシアニンが眼のトラブル対策で実用化されるようになったのは1970年代から。当初、床ずれやあざといった皮膚疾病に関する研究が中心で、循環器系に働く医薬品として採取されていた。
アントシアニンを摂ることで、眼の症状が改善し、特に夜に眼がよく見える、という報告が相次ぎ、その後夜盲症、暗視障害など、暗がりで眼の働きをよくする効能が追加された。
1980年代には現在のビルベリーエキスとほぼ同じ濃度である30%以上の原料を使い、一般的な視力低下への効果効能を目的とした医薬品が開発され、1990年代以降もその研究が続けられている。
アントシアニン、ロドプシンを再合成
眼のトラブルのほとんどが毛様体筋の疲れによるもので、そうした症状は、血流促進により改善される。これにはロドプシンという眼に入った光を電気信号に変えるタンパク質が関与しており、アントシアニンはロドプシンの働きを高めることが近年わかってきている。
動物実験においてもアントシアニンを投与したグループとそうでないグループを比較すると、投与したグループはロドプシンを再合成する割合が高いことが報告されている。
しかしアントシアニンは化学的に非常に不安定で体内への取り込みは実は皆無に近い。そのため、アントシアニンの含有量の多いビルベリー果実のものが最もよく、一定以上の含有量までアントシアニンを高濃度し、吸収しやすいよう、PH3,0前後に調整したものが望ましい。
ビルベリーには、15種類ものアントシアニン配糖体が含まれており、他の植物類に比べ圧倒的にアントシアニンの含有量が多い。アントシアニン配糖体はアントシアニジンと糖類が結合したもので、体内で吸収されやすい。