27種類のヘルスクレーム分類の中から申請
高島氏は中国市場の現状について以下のように述べた。
右肩上がりで今後も成長が期待できる中国市場に多くの日本企業が進出を検討しているが、健康食品市場についてはいくつか問題点がある。
最大の問題点は、日本での製造品の輸出は、関税・輸送費などでコスト高になり、価格が見合わないということ。とはいえ、中国の工場での製造となると品質不安が生じるという日本企業もある。
また、中国と日本では食薬区分が大きく異なり、申請方法も面倒であるということ。加えて、コピー天国の中国、商標等の法の違いもある。
中国の食薬区分は、医薬品と保健食品と食品の3分類。日本は医薬品と食品の2分類だが、中国では日本のトクホに近い保健食品という区分があり、そこには27種類のヘルスクレームが分類されており、その中から近いものを選んで商品を申請することになる。
海外製品を規制するためにさまざまな措置
ヘルスクレームのなかには肌荒れやニキビといった、比較的一般的なものから、変わったところでは放射線対策など、かなり細かく分類されている。日本のサプリメントなどを中国で販売したい場合は、食品から保健食品のカテゴリーに移行し、さらに27種類のヘルスクレームの分類の中で申請することになる。
しかしこの申請には平均して2〜3年という時間がかかるだけでなく、コストもおよそ500万〜1000万円程かかるのが一般的。保健食品の申請のハードルが余りにも高いため、形状や仕様を変更し、食品にして申請する日本企業もある。
これにより、法的なハードルは保健食品よりもかなり低くなり、申請時間も平均3ヶ月程度に大幅カットすることができる。しかし、以前は一度申請すれば許可が3年程有効であったが、近年は半年ごとに更新をしなければならないシステムになり、食品でも非常に面倒になっている。
これは中国政府が海外製品をある程度規制するために、様々な措置を講じているためで、原発の日本への風評もあり、こうした規制や対応はますます硬化していくのではないかと予想される。
中国の富裕層が満足できるような健康食品が狙い目
中国での販路については、市場は日本とさほど変わらず、店舗が38,3%、訪問が43,7%、ネットが10,9%、その他が7,1%となっている。
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