要介護の原因、転倒骨折や関節疾患が第2位
転倒などで骨折し、要介護や寝たきりの高齢者が増えている。日本人の平均寿命は男性が約79歳、女性は83歳。日本は世界でも有数の長寿国だが、平均寿命から7〜8歳引いた年齢が、いわゆる健康寿命の平均年齢といわれる。
健康寿命とはまさに健康(自分のことは自分でできる状態)である年齢で、最後の7〜8年は介護や入院などを必要とし、健康とはいえない状態で過ごす老人が多いというのが事実である。介護が必要となった要因を分析すると、心疾患が27%、認知症が18%程度だが、実は転倒骨折や関節疾患によるものが18%を超えており、心疾患に続く第2位の要因であることは意外に知られていないと岩本氏。
骨の問題で重要なのは骨粗鬆症の予防である。生活習慣病でいえば、高血圧3970万人、糖尿病820万人、脂質異常症680万人いると報告されているが、それよりも患者数が多いのは骨粗鬆症で1100万人、生活習慣病とはされていないが、危惧すべき問題である。
フィンランド、デンマーク、オーストラリア、カナダ、アメリカなど複数の先進国では骨粗鬆症の発生率は減少傾向にあるが、やはり対策と予防でそれなりの効果が期待できるのではないかと岩本氏は分析する。
骨粗鬆症になりやすいタイプの人
女性の骨粗鬆症については、閉経後、女性ホルモンが急激に減少することで発症の確率がぐっと増えてくる。例えば背がちじんだ、背中が曲がってきた、背骨や腰が傷む、ささいなことで骨折した、などあれば骨粗鬆症を疑った方がよいと岩本氏。
また骨粗鬆症になりやすいタイプの人もいる。家族に骨粗鬆症の人がいる、痩せている、コルチステロイドの服用者、過度のアルコール摂取者、閉経の早かった人、カルシウム・ビタミンD不足、運動不足、喫煙者などが罹患しやすい傾向にあるという。
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