加工適性が優れているのが大きな利点
クリルオイルはプランクトンの一種であるオキアミから加工・抽出された食品素材で、やや粘性のある暗いルビー色のオイルである。リン脂質が豊富で、とくにEPAとDHAを多く含むことから、新規脂質素材として関心が寄せられている。オキアミは南氷洋に生息し、最大のバイオマスとしても注目されている。
クリオオイルの特徴は、リン脂質でありながらオイルタイプであること。そのため加工適性が優れているのが大きな利点。また、高い酸化安定性を誇り、脂質にも関わらず酸化しにくいのは、含まれているアスタキサンチンとの関連ではないかと考えられている。
吸収性にも優れ、生体になじみやすい他、汚染が極めて少ない南氷洋から採取されるオキアミを原料としていることから、安全性が極めて高く食材として非常に優れているという。
ラット実験で、肝機能の保護が明らかに
クリオオイルの機能性としては、まず月経前症候群PMSの改善と緩和、月経困難症状の改善と緩和。そして関節炎による炎症の抑制と諸症状の改善、さらに血中中性脂肪のバランス改善、メタボリック症候群発生の予防および改善、血中または脳中ω−3HUFAの増加、近年では児童の注意欠陥・多動性障害(ADHD)の改善などが挙げられる。
ラットの実験で、クリオオイルを経口投与したラットと、何も投与しないラットに、1時間後アルコールを経口投与し、血中アルコール濃度、酩酊状態、肝機能指標を比較したところ、クリオオイルがアルコールの吸収抑制、代謝促進機能を有することが判明し、生体の酩酊状態を改善するとともに肝機能を保護することが分かった。
精子の運動機能や生産能力の改善に関与
また、別のラット実験で、5週連続クリオオイルを経口投与し、その後ペアリングしたオスとメスのラットの交配行動を観察したところ、加齢のために交尾回数が減少したラットでもクリオオイルの投与5週間後には若年のラットと変わらない交尾行動を示した。
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