人とペットの距離が近くなり感染症のリスクも
感染症の発生には、3つの要因が全て同時に揃うことが必要。まず病原体、次に感受性動物(ヒトや豚、鳥などの動物)、そして前二者を結びつける感染経路の3つ。これらが同時・同一場所に存在しなければ、感染症は成立しないと吉村氏。
社会の進歩とともに国際的な人的交流、物流の広域化、高速化などで、越境型の感染症が世界各地で発生するようになっている。昨年から今年にかけて、国内でも口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザの発生と拡大が大問題となった。人間とペットの距離が近くなり過ぎると感染症の危険性が伴う。
2020年、動物性タンパク需要が50%以上増加予測
動物のワクチン接種では、ヒトのインフルエンザワクチンと同様、100%の効果を保証するものではないが、仮に口蹄疫に感染した牛や豚の肉を食べてもヒトには感染しないこともわかっていると吉村氏。
公衆衛生分野では、まず生産段階から厳しいチェックが行われており、食肉流通の入り口となる殺段階で適切な衛生管理を行うため、と畜場法(鶏などの場合は「食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律」)に基づいて検査が実施されている。
異常が確認されたものは速やかに排除され、安全が確認された食肉のみが市場に流通するように万全が期されている。と畜場(食鳥処理場)から小売りまでの流通段階については、食品衛生法によって厳重な管理が行われている。
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