がん細胞は健康な人でも毎日数千個発生
同社では20年以上にわたる「フコイダン」の機能性研究で、ガゴメ昆布「フコイダン」の免疫機能の向上を明らかにしてきた。そのメカニズムや抗腫瘍作用について担当者が次のように報告した。
この30年間、がんは国内の死因の第1位、3人に1人ががんで亡くなっている。がんは正常な細胞の遺伝子が傷つき、分裂と増殖を繰り返すことで発症するが、その増殖力が非常に強いことが特徴。周囲の健全な細胞までどんどん蝕むメカニズムが知られている。
がん細胞は健康な人であっても毎日数千個は発生している。がん細胞の発生と増殖の原因はさまざまだが、加齢やストレスによる「免疫低下」ががんの発症リスクを高めることが明らかで、免疫力を低下させないことががん予防や健康長寿の秘訣と考えられている。
ガゴメ昆布から抽出されるガゴメフコイダンに注目
フコイダンは、褐藻類(わかめ、昆布、もずくなど)に含まれる多糖、特有のぬめり成分で、免疫力と強い係わりを持つ。ただ、海藻によりフコイダンの化学構造が異なり、機能性の強さが異なる。タカラバイオではガゴメ昆布から抽出されるガゴメフコイダンに注目している。
ガゴメ昆布はトロロ昆布属の海藻で、北海道の函館近海にのみ成育している。北海道産の利尻昆布と比較しても、ガゴメ昆布のぬめりは異常に強く、他の昆布と違って出し汁をとることができない。
粘りが強烈すぎるが、この粘りの強さがフコイダンの豊富さを示し、タカラバイオでは独自に研究を続けてきた。他の海草類には見られない大きな特徴として、ガゴメ昆布には3種類のフコイダンが含まれている。
「硫酸機が豊富」「高分子構造」などの特徴
フコイダンの構造上の特徴としては硫酸基が豊富なこと。例えば、ガゴメ昆布のフコイダンの1つであるF・フコイダンは「沖縄もずく」に比べて5倍以上も硫酸基が多いが、免疫賦活作用に重要であることが分かってきている。またガゴメ昆布フコイダンは平均分子量20万個で比較的高分子だが、この構造が免疫賦活のメカニズムにも非常に重要である。
一般的に低分子のほうが体内で吸収されやすいため、ガゴメ昆布フコイダンも低分子化してさまざまな実験が行われたが、低分子化だと、NK細胞活性化作用や抗腫瘍作用が弱まることも分かった。
ガゴメ昆布フコイダンの「3種類ある」「硫酸機が豊富」「高分子構造」という3つの特徴で、他の褐藻類にはみられない「NK細胞活性化」や「がん増殖予防」「ウイルス感染予防」が期待される。
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