がん補完代替医療とガゴメ昆布フコイダン
2012年2月22日(水)、東京ビックサイトで統合医療展セミナーが開催された。この中で、「がんの補完代替医療とカゴメ昆布フコイダン」と題して、タカラバイオ株式会社がフコイダンの機能性について紹介した。


がん細胞は健康な人でも毎日数千個発生

同社では20年以上にわたる「フコイダン」の機能性研究で、ガゴメ昆布「フコイダン」の免疫機能の向上を明らかにしてきた。そのメカニズムや抗腫瘍作用について担当者が次のように報告した。

この30年間、がんは国内の死因の第1位、3人に1人ががんで亡くなっている。がんは正常な細胞の遺伝子が傷つき、分裂と増殖を繰り返すことで発症するが、その増殖力が非常に強いことが特徴。周囲の健全な細胞までどんどん蝕むメカニズムが知られている。

がん細胞は健康な人であっても毎日数千個は発生している。がん細胞の発生と増殖の原因はさまざまだが、加齢やストレスによる「免疫低下」ががんの発症リスクを高めることが明らかで、免疫力を低下させないことががん予防や健康長寿の秘訣と考えられている。

ガゴメ昆布から抽出されるガゴメフコイダンに注目

フコイダンは、褐藻類(わかめ、昆布、もずくなど)に含まれる多糖、特有のぬめり成分で、免疫力と強い係わりを持つ。ただ、海藻によりフコイダンの化学構造が異なり、機能性の強さが異なる。タカラバイオではガゴメ昆布から抽出されるガゴメフコイダンに注目している。

ガゴメ昆布はトロロ昆布属の海藻で、北海道の函館近海にのみ成育している。北海道産の利尻昆布と比較しても、ガゴメ昆布のぬめりは異常に強く、他の昆布と違って出し汁をとることができない。

粘りが強烈すぎるが、この粘りの強さがフコイダンの豊富さを示し、タカラバイオでは独自に研究を続けてきた。他の海草類には見られない大きな特徴として、ガゴメ昆布には3種類のフコイダンが含まれている。

「硫酸機が豊富」「高分子構造」などの特徴

フコイダンの構造上の特徴としては硫酸基が豊富なこと。例えば、ガゴメ昆布のフコイダンの1つであるF・フコイダンは「沖縄もずく」に比べて5倍以上も硫酸基が多いが、免疫賦活作用に重要であることが分かってきている。またガゴメ昆布フコイダンは平均分子量20万個で比較的高分子だが、この構造が免疫賦活のメカニズムにも非常に重要である。

一般的に低分子のほうが体内で吸収されやすいため、ガゴメ昆布フコイダンも低分子化してさまざまな実験が行われたが、低分子化だと、NK細胞活性化作用や抗腫瘍作用が弱まることも分かった。

ガゴメ昆布フコイダンの「3種類ある」「硫酸機が豊富」「高分子構造」という3つの特徴で、他の褐藻類にはみられない「NK細胞活性化」や「がん増殖予防」「ウイルス感染予防」が期待される。

高分子のまま腸管の免疫細胞に作用

「各種フコイダンの抗菌種作用の比較実験」「NK細胞活性比較実験」「免疫活性作用比較実験」(すべてラットとin vitro試験による)のいずれのデータでもガゴメ昆布フコイダンはワカメやメカブ、沖縄もずくのフコイダンに比べ強い抗作用を発揮することが明らかとなっている。

特に経口したガゴメ昆布フコイダンは、高分子のまま腸管の免疫細胞(パイエル板)に働きかけ、NK細胞を活性化することが分かった。腸管はヒトの最大の免疫器官で、全身の60〜70%の免疫細胞が存在すると考えられている。ここにガゴメ昆布フコイダンが高分子のまま吸収され働きかけることで、全身の免疫が高まることが考えられる。

長い食経験があり安全性も高い

がん細胞を移植したラットに、ガゴメ昆布フコイダンを0.5%混ぜた餌を4週間経口摂取させ、その器官のNK細胞活性値を測定した。結果、がん細胞を移植しただけのマウスはNK細胞が著しく低下したが、フコイダンを摂取させたラットはNK細胞が活性しただけでなく、がん細胞の増殖抑制を示す数値が出た。

ガゴメ昆布フコイダンは他にもインフルエンザ感染予防作用や血栓抑制作用、育毛作用などの機能性が認められている。また、長い食経験のある食品で安全性も極めて高い。

がん患者の44.6%が補完代替医療を選択

がんと宣告されて闘病しているがん患者の44.6%が、今や補完代替医療を選択するようになっている。利用している補完代替医療の種類としては96.2%が健康食品やサプリメント(漢方含む)、7.3%が鍼灸、3.8%が気功。しかし、これら補完代替医療を利用している患者さんの多くはその効果や副作用について十分な情報を得ることがなく、医師にも相談せずに利用しているケースが多い。

ガゴメ昆布フコイダンについてはその機能性が一般に知られるようになりつつあるが、体内でどのようなメカニズムで働いているのか理解を深めることでさらに効果が確信できるようになる。商品を提供する企業の責任として、情報公開やセミナーの場で啓蒙活動に力を入れていきたい。


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