発芽そば醗酵エキス、そばの芽に高い栄養価
セミナーでは同社の担当者が発芽そば醗酵エキスの有用性について以下のように解説した。
発芽したばかりのそばの新芽が健康食品として注目を集めている。そばよりもそばの芽のほうがはるかに栄養価が高く、よく知られるルチンはそばの約5倍も多く含まれている。
このそばの芽をさらに醗酵させより高純度のエキスを抽出したものが「発芽そば醗酵エキス」で、このエキスが花粉症・気管支ぜんそく・冷え性・下肢静脈流・不整脈・心筋梗塞・高血圧・肩こりなどさまざまな症状に効果を発揮していることが報告されている。
血管の弾力性を保ち、血液をサラサラに
スプラウト食品が豊富な機能性を有することはよく知られているが、その一環としてそばの芽を研究したところ、そばの芽にはそば以上に血管の弾力性を保ち、血液をサラサラにして血流を促進する働きがあることが発見され、さらにそれに醗酵技術を加えることで機能性が高まることが確認された。
これは信州大学大学院農学研究科教授の茅原紘氏と別府にある医療法人敬愛会中村病院の副院長である酒本貞昭氏による共同研究によって進められた。
発芽直後のそばの芽には、最も含有が多く有名なルチンのほかに、オリエンチン、イソオリエンチン、ビテキシンなどのフラボノイド化合物が多く含まれており、これらには血流を改善する効果があることが基礎実験で確認されている。
アレルギーの原因となるタンパク質を除去
これらの機能性に注目し臨床実験に着手するために醗酵させそのエキスを抽出することで機能成分が更に高まるだけでなく、そばアレルギーの原因となるタンパク質を除去することが可能となり、またエキスを粉末化することで摂取しやすいように開発。これを共同研究チームで現在も臨床実験に使っている。
その結果、発芽そば醗酵エキスには、末梢血管の血流を増加させる作用や、血管の硬化を和らげる作用などがあることが明らかとなり、がんや動脈硬化、脳卒中、虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)などの循環器系疾患をはじめ、血流障害や血管障害が原因となる多くの病気へ効果を発揮している可能性がある。
腸内環境の整備や美白効果で期待
花粉症患者にも連続投与をしたところ、症状が緩和するケースが多く見られたことから、これもアレルギーという免疫系疾患が血流を促進することで改善することと関係しているのではないかという見方がされている。
発芽そば醗酵エキスの作用のメカニズムは完全に解明されていないが、秘められた大きな可能性がある。昔からそばは腸を良くする食品といわれているため、腸内環境と大きく関わる免疫疾患にも効果が期待できる。
最新の研究ではそばの芽には美白効果があることも明らかとなっている。そばの芽に含まれるシスーウンベル酸という成分には、メラニンの生成に関与するチロシナーゼという酵素の活性を抑制する働きがあることが認められ、メラニンの生成が抑制されればシミやそばかすも抑えられ、皮膚がん発症の低下も期待できる。
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