カナダ東部及び米国メイン州に自生
北米原産のブルーベリーは3種類あり、ワイルドブルーベリーはそのうちの1種である。ワイルドブルーベリーはローブッシュ、つまり野生種であり、栽培種であるハイブッシュブルーベリーとは多くの点で異なり、天然の恵みをより多く残しているのが特徴。
ワイルドブルーベリーはカナダ東部及び米国メイン州に自生している。この土地は今から約1万3千年前に大陸氷河が離れていった場所で、環境的には非常に厳しく、今もなおその痕跡が残っている。氷河が離れた後に、丸い巨石と砂や砂利の厚い層だけが残され、この層の上にはわずか数センチの石質の土が積もっているだけという。
この地域は厳しい冬の季節にはマイナス35℃にまで気温が下がり、土地はいつも野生状態で人が近づくことは非常に困難で、土壌も強い酸性であるため他の植物の成長には適さないとパーシバル博士。
より鮮度が高く、最適な時機を逃さず収穫
しかし、ワイルドブルーベリーはこうした厳しい環境でも、何千年にもわたって力強く自生してきた。近年もその生態は基本的に変わっていないが、現在は自生しているエリアに人間が若干手を加えつつワイルドブルーベリーのより高度な育成と収穫を行っているという。
そこで働く人間は、ワイルドブルーベリー以外の植物を抑制することでワイルドブルーベリーの成長を促進させる役割を担っている。かつては手摘みであった収穫を機械を入れることでより鮮度が高く、最適な時機を逃さず収穫できるようになったとパーシバル博士。
「アンチエイジング・フルーツ」として人気
現在もワイルドブルーベリーは荒れたヒースランド地帯で2年サイクルで生産・収穫されている。ワイルドブルーベリーの収穫時期は8月〜9月。粒は他の品種より小粒だが、甘酸っぱさは栽培種よりも際立ち、カナダや北米を中心に多くの料理にも用いられ、食卓を彩っている。
そして近年注目されているのが、ワイルドブルーベリーが持つ機能性。カナダや北米では「アンチエイジング・フルーツ」「パーフェクト・フルーツ」といわれ年々人気が高まっているとパーシバル博士。
活性酸素除去能力が高い
ブルーベリー全般に非常に高い数値で含まれ、もちろんワイルドブルーベリーにも含まれる優れた機能成分はポリフェノールの一種であるアントシアニンで、果物の中でもとくに多く含まれている。スーパーフードと呼ばれる食品を研究するスティーブン・プラット氏の研究によると、ポリフェノールには肌の健康を保つ作用があり、他の食物に比べて人体に有効に働きかけることがわかっているという。
例えば、アントシアニンによる抗酸化作用が活性酸素の除去や免疫賦活作用、炎症抑制作用など人体にとって有益なさまざまな効果を発揮することが示されている。
・
・