2、食品の表示は食品の情報提供である。消費者が情報に基づく選択を行い、消費者が食品を安全に利用するための基礎を提供することで、高いレベルで消費者の健康と利害の保護を追求することを目的とする。
3、消費者が食品の品質、特性、リスクを十分に知った上で食品を選択することができるようにするため、事業者による食品の品質表示は、消費者にわかりやすく、不足がないようにし、消費者が豊かな消費生活を営むことができることを目的とする。
4、消費者が安全で安心できる消費生活を送れるよう、「食品の安全情報」「食品の選択」「健康増進に必要な食品情報の提供」について、消費者にわかりやすい食品表示を規定する新制度の実現を目的とする。
5、JAS法、食品衛生法、健康増進法の3法の趣旨を踏まえたうえで、最終的な目標としては「公衆衛生の向上を図る」ことにも重点を置く。
6、景品表示法も含め、現行の食品表示に関わる法制度を一本化し、目的もそれに見合ったものに改善する。これら6点が現状とりまとめられた一元化に向けた目的の整理であるという。
消費者に表示を読み解く力がなければ状況は改善されない
しかし、この内容については会場から異議を唱える声も上がった。一元化の目的について、消費者の権利を守ることにばかり重点が置かれているが、そもそも消費者に表示を読み解く力がなければ一元化したところで状況は改善されないのではないか、ということである。
これについて消費者庁としてもアドバイザーを育成することや、表示に用いる用語を統一することで消費者教育も同時に行いたいと応えたが、消費者教育という課題は一元化よりも難しい問題ではないかと会場からは指摘の声が後を絶たなかった。
消費者庁で意見を募集
また他に重要な論点として挙っていることは、「アレルギー表示の問題」であるという。対面販売や通販、外食では現在アレルギー表示が制度的に義務づけられていないが、これらにも表示をするべきであるという意見があった。またアルコール飲料は制度の対象となる「食品」に含まれていないが、新制度では含めるべきだという意見。
直接販売される弁当や総菜については、栄養成分のバラつきが多いため、一元化は難しいにしても、自主的なガイドラインなどで表示を推奨するべきだという意見。栄養表示やエネルギー表示についても、表示していく必要があるのではないかという意見があった。さまざまな意見や一般の消費者からの声を集めるため、消費者庁では24年3月5日から4月4日(水)までe-mail、FAX、封書にて意見を募集している。
消費者庁の今後の予定としては、意見募集と6回までの検討会のとりまとめを今月行い、近日中に7回〜9回の検討会を開催し、24年6月には10回目の報告会と最終のとりまとめを行うという流れである。