アンチエイジングや花粉症緩和などの機能
赤シソエキス・ムラサキイモエキスの機能性について同社担当者は次のように報告した。
世界的に健康志向が高まる中、より安心・安全のイメージの強い「食物由来の機能性食品素材」に、専門家のみならず一般消費者からも強い関心が寄せられるようになっている。ブルーベリーや赤ワイン等の健康効果で一躍注目を集めたポリフェノールは、アンチエイジングや花粉症緩和、肝機能向上など優れた機能を有していることが最新の研究で相次いで報告されている。
ブルーベリーや赤ワインに含まれるポリフェノールは、かつては食品の色づけ素材として用いられてきた。ムラサキイモは、紫がかった赤色が珍しいことで近年はケーキなどでも使用されている。ムラサキイモはポリフェノールの含有量が非常に高い食材として近年高く注目されている。
ムラサキイモに含まれるポリフェノールにはアントシアニンが豊富に含まれている。アントシアニンの主成分はシアニジンアシルグルコシド類、ペオニジンアシルグルコシド類であり、これらの成分の特徴として非常に強い抗酸化作用、肝機能向上効果・血流増加作用等の機能性を有することが報告がされている。
ムラサキイモ由来のアントシアニン、溶解性や耐熱性に優れる
ムラサキイモに含まれるポリフェノール成分のみを抽出することにより、アントシアニン濃度を10倍濃くできることがわかっている。日農化学工業ではいち早くムラサキイモからアントシアニンを抽出加工しエキスにしたものを販売してきた。
使用するムラサキイモはすべて国産(九州産)であり、毎年5月に宮崎県で植え付けが行われ、同年の9〜10月に収穫され、収穫直後に抽出加工される。ブルーベリーや赤ワイン由来のアントシアニンよりも、ムラサキイモ由来のアントシアニンのほうが溶解性や耐熱性、耐光性に優れているため、食品素材としても非常に使いやすいことが特徴である。
肝機能改善効果に着目し商品開発
アントシアニンの機能性についても多角的に研究が進められている。主成分であるシアニジンアシルグルコシド類とペオニジンアシルグルコシド類は抗酸化作用だけでなく、血糖値の上昇抑制効果・血圧上昇抑制効果・便通促進効果・肝機能の改善に効果的に働きかけることも観察されている。
日農化学工業では特に肝機能改善効果に着目し商品開発を進めている。10年前から発売している「ムラサキイモエキス」は、当初焼酎などに入れて色の変化を楽しむことを目的に販売をスタートしたが、利用者の多くから「翌日の二日酔いが軽減される」という報告があった。またそのためにリピートする消費者が増えたため、社内モニター試験で「肝機能改善効果」に関する効果測定を実施した。
その結果、血中のアルコール濃度のピーク時間が遅延することや血中のアルコール濃度低下時間が短縮することが認められた。
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