ハーブの機能性研究が盛ん、高純度で抽出・規格化
インドの伝承医療であるアーユルヴェーダ。自然療法としてさまざまなハーブや植物が経験的に用いられてきた。近年、どのような効果を発揮しているのか、メカニズムに関する研究が盛んで、有効な機能性成分をできる限り高純度で抽出・規格化することが進められている。
セミナーではアーユルヴェーダで頻繁に使用されてきたハーブや植物の中から、脳機能のサポート、抗酸化、健康食品素材、ダイエットなどに効果的な植物とその機能性の最新研究について報告が行われた。主なアーユルヴェーダ素材を紹介する。
バコパモニエラ、脳機能サポートに
インドでは知恵の草を「ブラーミ」と呼ぶが、バコパモニエラ(通称バコパ)はこのブラーミの一群に属す。バコパは現代のインドでも日常的に使用され、子どもたちが学校での試験前にバコパを煎じた「バコパティー」を飲むことが習慣となっているという。
バコパに含まれる有効成分は「バコサイドA-B」であることが判っており、「学習能力向上」「精神安定作用、抗うつ作用」「けいれん抑制作用」「抗酸化作用」などの作用が報告されている。また、近年ではてんかんや記憶能力の改善にも寄与する作用としてGABA受容体の抑制作用も確認されている。抗不安薬として使用されることもあるが、集中力欠如などの副作用を示すことなく精神を安定させ、記憶力向上作用なども認められ注目を浴びている。
アムラ、抗酸化や強壮作用
アムラはアーユルヴェーダ3大果実の一つとして知られ、様々な処方で使用されている。インドのスーパーでも果実をジャム状にしたものが販売されており、一般的に強壮剤として摂取されているという。ピンポン玉くらいの果実はドライフルーツやピクルスとしても食される他、その強力な抗酸化作用が白髪や抜け毛にも効果的であるとして、シャンプーの素材としても人気が高い。
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