抗酸化作用・免疫賦活作用などの機能性
β-クリプトキサンチンとは、βカロテンなどと同じカロテノイドの一種で、α-カロテン、β-カロテン、リコペン、ゼアキサンチン、ルテインとともにヒトの血中に存在する6種類のカロテノイドの一つである。
β-クリプトキサンチンは、温州みかんや柿、赤ピーマン、パパイヤ、ビワなどに豊富に含まれている。日本では温州みかんを日常的に食べるため、諸外国に比べてβ-クリプトキサンチンの摂取量は比較的多いとされている。
(独)農業・生物系特定産業技術研究果樹研究所を中心とした近年の活発な研究により、β-クリプトキサンチンの新たな生理活性機能として、骨粗鬆症予防・美白効果・抗酸化作用・免疫賦活作用などの機能性が明らかとなり非常に注目されている。
ラット実験で、骨密度を増加
卵巣を摘出することで骨粗鬆症を発症させたモデルマウスに、β-クリプトキサンチンを豊富に含む温州みかんを高容量(300mg/日)と低容量(30mg/日)で毎日7週連続投与し、高容量を投与したラットの骨量を測定したところ34.44%、低容量を投与したラットの骨量は30.48%であったというデータが発表されている。
比較対象として無投与の骨粗鬆症ラットについても骨量を測定したところ、16.97%であり、β-クリプトキサンチンは破骨細胞数を減少させて骨吸収を抑制すると共に、骨形成を促進させ、骨密度を増加させることが明らかである。
臨床試験も行われており、閉経後女性24名を無作為に3群に分け、プラセボを使用したダブルブラインド試験による比較試験を実施したところ、酵素処理を施したうんしゅうみかんを1日あたり100mgと400mg、12週摂取で調査したところ、両群において、骨形成マーカーの有意義な増加が観察され、β-クリプトキサンチンが閉経後女性の骨代謝改善に有効に働くことが示唆された。
メラニン色素沈着抑制効果が観察
β-クリプトキサンチンの色素沈着抑制効果について、ラット実験でβ-クリプトキサンチンはマウスのメラノーマ細胞に対してメラニン合成阻害作用を示すが、その効果はカロテノイドと比較しても非常に高いことが明らかになった。
この作用はメラニン合成の鍵となる酵素「チロシナーゼ」をβ-クリプトキサンチンが分解することを促進させているからではないか。
・
・