原材料の価格高騰や世界経済の低迷による影響
納豆は日本を代表する伝統食品で、近年、ナットウキナーゼやポリアミンをはじめとする機能性成分が含まれることなどが明らかになり、市場はここ十年余りで急拡大している。
しかし一方で、納豆業界は大豆や石油などの原材料の価格高騰や世界経済の低迷によるデフレなどの影響で、全納連加盟各社の経営状態は決して明るい状況とはいえないという。
ナットウキナーゼの有用性
ナットウキナーゼは納豆の粘りに含まれるタンパク質分解酵素で、納豆特有の成分である。納豆を生成する過程で、煮豆を納豆菌で醗酵させる際にナットウキナーゼが生成される。
この成分が体内で血栓の元となるタンパク質を分解する作用があることが近年明らかとなっており、血栓予防効果による血圧降下作用や血流改善作用が注目されるようになった。それによる高血圧や高脂血症、糖尿病などへのアプローチも期待されている。
また、心筋梗塞や脳梗塞といった日本人の死亡原因トップ3に入る重篤な症状も血栓が関与するため、納豆を1日1パック(50g)食べることが、健康維持に効果的であるといわれるようになった。
ポリアミン、加齢とともに減少
ポリアミンはすべての生物の細胞内でアミノ酸から合成される物質で、2種類(スペルミン、スペルミジン)あり、いずれも体内で細胞の増殖や生存に必要不可欠な物質だが、加齢とともに減少することが分かっている。近年、ポリアミンは腸や大腸といった消化管からの吸収が非常に良いため、食品から補うことが可能であることが判明。
・
・