ヨーロッパでは油といえばオリーブオイルを指す
オリーブオイルはかなり古くから使われている油で、ヨーロッパでは油といえばオリーブオイルのことを指すという。オリーブの木は乾燥に強く荒れた土地でも育つという非常に強い性質を持ち、強さだけでなく、花は白く美しく、その実はとても美味しいため、この万能の木に多くの人々が魅了されてきたという歴史がある。
このオリーブの実から抽出して採れるオリーブオイルは、他の油とは違って香りと風味が優れている。そのためヨーロッパでは日本の醤油のようにさまざまな料理で用いられる。パスタやサラダにかけるだけでなく、バターの代わりにパンにつけたり、炒め物、煮物、揚げ物にも使われる。
このオリーブオイルには大きく分けて2種類ある。ピュア・オリーブオイルがそのうちの一つであり、器械で精製したもののことを指す。もう一つがエキストラ・ヴァージン・オリーブオイルで、こちらは実を絞って油を抽出したもので、いわばフレッシュジュースのような濃厚さがあり、もちろんそのぶん栄養価も濃縮されているという。
オレイン酸が豊富
オリーブの木は地中海沿岸だけでなく、南米などにも自生していて、それぞれの産地ごとに異なったオリーブオイルの味わいが生まれる。この性質を活かし、ヨーロッパの人々はオリーブオイルをワインのように楽しんでいるという。
オリーブオイルの需要は世界的に高まっている。味や風味に優れているからという理由からだけでなく、全身の健康に良いことが知られるようになったからである。
大豆や菜種、ゴマなどの植物油のほとんどが種子から搾取されるが、オリーブオイルは果実から搾取される。そのため、果実に含まれるビタミンE、ポリフェノール、クロロフィル、カロチンなどの抗酸化成分をオリーブオイルからは豊富に摂取することができる。
また油のなかでも、オリーブオイルにはオレイン酸が豊富に含まれている。オレイン酸は動脈硬化を予防する作用の他、心筋梗塞や脳卒中のリスク低減作用、善玉コレステロールを増加させる作用などが確認されている。
オリーブオイルダイエットが注目
他にも健康効果としては、大腸がんや乳がんを抑制する効果、便秘予防効果、リウマチ予防効果、神経系へのアプローチから偏頭痛予防効果、歯茎の健康効果などが知られ、また外側からのアプローチとしても美肌効果、美髪効果などが次々と明らかとなっており、まさに全身の健康に役立つ万能オイルとして位置づけされている。
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