加齢に伴い酸素摂取能力が低下
私たち人間が生きていくうえで一番大切なものは、言うまでもなく酸素である。その次に水、塩と続く。生命活動に必要なエネルギーは細胞の中の「酸素」と「栄養」で生産されるのであるが、この「酸素」が一番必要な臓器は「脳」そして「心臓」、「腎臓」の順番であるという。
この酸素が体内で欠乏するとどうなるのか。細胞からエネルギーが生産されなくなり、各臓器はダメージを受け、さまざまな病気の原因となる。かの野口英世も「全ての病気の原因は酸素欠乏症である」と語っていたという。しかし体内で酸素が不足しているかどうか、自分ではなかなかわかりにくい。
あまり知られていないことだが、加齢に伴い酸素摂取能力も低下する。つまり、老化とは酸素不足ともいい換えられる。なぜ加齢に伴い酸素摂取能力が低下するのか。それは呼吸・循環機能(肺や心臓の機能)が低下するからであるという。肺や心臓も筋肉であるため、他の筋肉と同様、鍛えれば強化され、鍛えなければ加齢に伴い老化が進み弱くなる。
60歳代、20歳代と比べて酸素量が50%少ない
そのため、20歳くらいまでは、心肺機能は誰もが右肩上がりで向上するが、20歳を境に他の筋力と同様低下していくという。もちろん若い頃から運動の習慣がある人と、全く運動の習慣がない人ではその低下の度合いに大きな差がある。
60歳代になったとき、運動の習慣がある人はピーク時の70%程度の酸素摂取量を維持しているが、運動習慣のない人は50%程度の酸素摂取量しかないというデータも提示された。骨格や体格が20歳の時と60歳の時でさほど変化がないのに、取り込んでいる酸素の量が50%も少ないとなると、体内は大幅な酸素不足になっているといえる。
個人差があるとはいえ、加齢とともに酸素摂取量が減少、この酸素不足が老化の原因の一つとなる。運動や呼吸法である程度心肺機能を強化し、呼吸器・循環器系のアンチエイジングを図ることは可能だが、そのためにはできるだけ若いうちから継続して心肺機能を強化し続ける必要がある。
肺以外での酸素摂取が必要
老化の一因として「活性酸素」がよく知られているが、活性酸素によって細胞が受けるダメージよりも、酸素不足によって受けるダメージのほうが大きいかもしれないという仮説を同社では考えているという。
いずれにせよ加齢とともに酸素摂取量はだれもが低下し、万年酸素不足に陥っている。それが病気の原因にもなり、肌や毛髪などの眼に見える部分の老化の原因にもなっているという。年齢を重ねるほどに、肺からの酸素摂取だけでは不十分となり、代謝やエネルギーの生産が追いつかなくなっていくからだ。
そこで数十年前から、肺以外での酸素摂取が必要と考えられるようになった。その結果「酸素カプセル」が開発され、医療施設やアスリートの間では大人気となった。しかし酸素カプセルには、一般的に継続利用が難しいこと、また病気の人などカプセルに入ることが難しい人もいるなど、ディメリットもあった。そこで消化管からの酸素摂取が待望されてきたという。
・
・