加齢による目の機能、45歳から低下
日本人の70%が眼精疲労に悩まされているといわれる。とくにパソコンやスマートフォンの普及で、ますます深刻化するものと予測されている。近年では子どもの眼精疲労までもが問題視されているが、現代社会での生活を考えると改善の糸口は見えてこない。眼精疲労は肩こりや首こり、頭痛を引き起こす。また眼精疲労は体内に蓄積されるためなかなか解消しづらいといわれる。
眼精疲労の原因には大きく分けて二つある。一つが生活習慣、もう一つが加齢。目の中には毛細血管が無数に存在し、目の隅々に酸素や栄養を届け、老廃物を運び出す。しかし日常生活でのストレスや加齢で目の機能、とくに筋肉と血管の機能が低下し、白内障や緑内障といった病気を引き起こすという。
とくに加齢による目の機能の低下は45歳を境に一気に加速することが明らかになっている。これまで目の健康に良いとされてきた機能性食品や素材はアントシアニンをはじめ複数知られている。しかし根本からの改善策として、血管の老化を防ぐことが最も重要ではないか。血管の老化を防ぐことが目の老化予防にならないか。そこから研究がスタートしたという。
Tie2受容体の活性化、内皮細胞のゆるみを強化
血管は加齢とともに老化することがわかっている。老化が進むと血管そのものがもろくなり、さまざまな弊害が起こるが、そのメカニズムにTie2作用が関連していることが明らかになっている。血管がもろくなるのは、血管の壁細胞とその内側にある内皮細胞の接着がゆるみ、構造が不安定になることだという。
このゆるみから、血管内の血漿成分や老廃物が漏れ出し、次第に血管外の組織部分に蓄積され、血管機能がさらに低下していく。しかし内皮細胞にはTie2受容体が存在している。
内皮細胞がゆるみ、隙間ができた部分があると、Tie2受容体は活性し、ゆるんだ部分に留まり、いわば接着剤のようにゆるみを固定する。ゆるみが固定され強化されることで、ゆるんだ血管の働きは元の確かなものとなり安定化する。これにより、血漿成分や老廃物の漏れを防ぐという。
Tie2受容体、加齢とともに不活性
つまりTie2受容体を活性化させることが非常に重要だが、Tie2受容体は加齢とともに不活性となることが明らかになっている。Tie2受容体の不活性こそ、まさに血管の老化現象ともいえる。この修復作用が働かないことで、肌表面のシミやシワ、頭皮では脱毛、体内ではむくみ、関節炎、メタボリックシンドロームなどが引き起こされるという。
Tie2受容体による一連の作業では、毛細血管の壁細胞からアンジオポエチンという物質が分泌される。
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