スリランカ政府が厳重に保護育成、幻のハーブ
コタラヒムブツはスリランカにしか自生しないツル科の植物で、5,000〜6,000年以上前から薬草として重宝されてきた。現地では、多くの人々が健康維持のために幹を煎じるなどして摂取している。
「コタラヒムブツ」はシンハラ語(スリランカ語の一つ)で「神の恵」を意味する。スリランカの伝承医学であるアーユルヴェーダのなかでも重要なハーブの一つとされている。
コタラヒムブツは、利用できる大きさに成長するまでに7年以上の歳月が必要で、非常に貴重な植物とされている。そのため、スリランカ政府は乱獲防止や自然保護の目的で海外輸出規制を行い、厳重に保護育成している。コタラヒムブツは長い間世界のどこにも輸出されなかったことから、「幻のハーブ」といわれてきた。
日本にのみ一定量の輸出が許可
近年、スリランカ政府はコタラヒムブツの一定量の輸出を日本にのみ認めている。日本ではごく少数の企業がコタラヒムブツの直輸入が可能となり、ハーブティーやサプリメントなど徐々にコタラヒムブツが流通するようになっている。
コタラヒムブツはスリランカの他にインドの南西部にも自生しているといわれる。しかし、これは両方の学名が「サラシア レティキュラータ」と同じため、同じ植物と誤解されているにすぎない。
実際、スリランカのコタラヒムブツとインドのそれでは、全く異なるほど別種として進化を遂げており、効果効能も異なる。そのため、コタラヒムブツの独特の効果とその恩恵を受けたければ、スリランカ産にこだわる必要があるという。
食前に摂取で糖質の体内吸収が抑制
コタラヒムブツの最大の機能は「糖尿病の予防効果」である。これはすでにアーユルヴェーダの教典にも記されているという。糖尿病は現代病といわれるが、古くからあり、アーユルヴェーダの教典では「チャカラ・サンヒータ」と記されている。
症状として「混濁した尿が多く出て、尿には糖分が多く含まれるためアリやハエが集まり、口渇、口臭などがある病。怠惰な生活による病でマハラジャ(王候)の病」と解説されている。
スリランカでは数千以上年前から糖尿病にはコタラヒムブツが良いと伝承されてきた。コタラヒムブツを食前に摂ることで糖質の体内吸収が抑制されるという科学的メカニズムは、日本人の研究者により解明されたものという。
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