古くから強壮・強精剤として伝承
次世代のアンチエイジング素材として「ソフォン」が注目されている。ソフォンとはタイのメコン川流域の落葉樹林帯に自生するマメ科に属する熱帯植物の根で、学名は「ブテア・スペルバ」。和名は「ツルハナモツヤクノキ」として知られる。
ソフォンはタイではカレン族やモン族の間で、古くから強壮・強精剤として伝承されてきた。近年、その効果が日本でも知られ、日本の複数の製薬会社などがソフォンの機能性の研究を進めている。ソフォンには強壮・強精作用以外に、老化現象の全般的な緩和作用などが明らかとなり、次世代のアンチエイジング素材の代表と期待されている。
血中でDHEAの増加
ソフォンを摂ることにより体内でどのような変化が起こるのか。最も注目されるのが血中でのDHEAの増加である。DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)は主要な副腎皮質ホルモンの一つで、老化制御の観点から先進各国で最も注目されている。米国では若返りホルモンとして知られ、さまざまな形状のサプリメントが販売され、医薬品としても利用もされている。
DHEAは主に人体の副腎で生成され、男女ともに7歳頃から血中に分泌されるようになる。DHEAが原料となり、男性ホルモンのテストステロンや女性ホルモンのエストロゲンが作られる。DHEAは思春期に急激に増加し、25歳前後でピークになるが、加齢とともに減少し、75歳頃にはピーク時の10%程度までに減少する。
抗加齢や性機能改善効果も
他にも、DHEAは体内で抗ストレス作用、抗不安作用、筋肉増強、疲労回復などの生理的役割を果たす。しかし、加齢とともにDHEA濃度が低下していくことから、疲労感、うつ症状、更年期症状の原因になるのではないかという仮説が立てられている。
例えば、100歳以上の健康長寿者のDHEA血中濃度は高値であることが明らかとなっている。岐阜県国府町は長寿地域として知られるが(全国第二位)、ここに住む高齢者の血中DHEA濃度を測定したところ、他地域より有意に高いことが確認されている。
実際に、ソフォンを粉末にし、経口摂取したヒト臨床試験では、「DHEA増加効果」のほかに「抗加齢効果」「性機能改善効果」「筋増強作用」「血糖改善効果」「血小板凝集阻害作用」が認められることが報告されたという。
特に「抗加齢効果」については、健康な成人男女24名(平均51歳、女性は閉経後の方のみを対象)を対象とした臨床実験で、ソフォンの経口摂取により血中DHEA濃度の増加とともに、男女共更年期に伴うさまざまな不快症状が改善された。
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