海外の主要な基準は4つ
日本は食品の健康表示制度として、製品ごとに審査する特定保健用食品制度を1991年に世界で初めて施行している。さらに2001年には規格基準型の栄養機能食品を制度化している。そうした背景から、日本の健康表示制度は世界を代表するものになると期待されてきた。しかし、残念ながら世界に遅れをとっているのが現状と清水氏はいう。
世界の健康表示はどのような状況か、日本の健康表示は今後どう進化すべきか、清水氏は消費者庁や消費者委員会にアドバイスを行ったという。
健康食品の表示制度の国際比較において、対象となる主要な基準は4つ。コーデックス委員会、EU、アメリカ、オーストラリア&ニュージーランドによるものである。
コーデックス表示、国際的合意に
コーデックス委員会では健康表示として「栄養機能表示」、「その他の強調表示」、「疾病リスク低減表示」に関する指針について厳密に規定している。また科学的根拠を示すために「ヒト介入試験の実証を基にすべき」「網羅的な科学的根拠の検証を実施すること」などが採択されている。このコーデックスの考え方が各国で基本的な健康表示のあり方の土台となり、今や国際的合意となっている。
EUでは2007年に「栄養・健康表示法」が制定され、一般機能表示(確立され、異議のない科学的根拠に基づく表示)、新規機能表示(新規の科学的実証に基づく健康表示)、疾病リスク低減表示(疾病のリスク、または疾病の進行とリスクを低減することに関する表示)、小児健康表示(小児の健康に関する表示)の記載が認められている。
実際にその評価はEFSA(欧州食品安全庁)という独立した機関が行っており、健康食品の機能と安全性の両方を厳しく評価している。とくに注目すべきは、日本のトクホよりも広い範囲で健康表示の科学的根拠を承認している点にあるという。
免疫系・ホルモン作用など、200を超える健康表示
例えば、神経系・免疫系・疲労・血液凝固・認識機能・皮膚や粘膜・筋肉や神経・ホルモン作用など、これらに効果的に働きかける成分があっても日本では表示が認められていない。
しかしEUでは幅広い機能性の表記が承認されているため、消費者もあらかじめ機能に期待して商品を購入する。そしてとくに問題は生じず、サプリメントや健康食品市場にますます大きな期待が寄せられている。すでに2013年12月には200を超える健康表示が認められ施行されているという。
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