その結果、トレハロース摂取群は、細胞から悪玉のアディポサイトカインが分泌抑制され、結果的にインスリンの過剰分泌も抑制され、インスリン感受性低下を防ぐことが明らかとなった。
つまりトレハロースの肥満抑制作用は3ステップで行われることがわかった。まずは脂肪細胞の肥大化を抑制→インスリンの過剰分泌を抑制→耐糖能機能を改善する、というものである。これにより、血圧の上昇抑制も期待できる。
トレハロースはインスリン刺激の少ないエネルギー源で、メタボリックシンドロームの予防や高齢者食品の開発に役立つ。他にも、歯周病や骨粗鬆症予防のエビデンスも徐々に集まってきている。
料理に使用で、素材の鮮度維持や保存性が向上
トレハロースの生理機能の恩恵を受けるには、一日約10gの摂取が望ましい。料理に使用すると、素材の鮮度維持や保存性の向上、風味、色彩、食感の向上に役立つ。
ご飯を炊く際に添加すると、変色抑制だけでなく、水分量が増え米粒が水のみで炊き上げるより若干大きくなり、甘味や歯ごたえもアップする。野菜も色を鮮やかにし、旨味が増す。
肉に使用するとパサつきが抑えられ肉の柔らかさが持続する。うどんやパスタでは、表面の滑らかさが保たれ、麺が茹でのびしにくくなる。他にもハンバーグ、スクランブルエッグ、パンなどへの利用が効果的である。