紫茶エキスの健康・美容機能
〜「ヘルス&スポーツフードエキスポ」セミナー

2013年12月5日(木)、東京ビッグサイトで、「ヘルス&スポーツフードエキスポ」が開催された。同展示会のセミナーからオリザ油化鰍フ「紫茶エキスの驚くべき健康・美容機能」と題した講演内容を紹介する。


25年の歳月をかけて開発

紫茶とはケニア茶業研究財団が25年の歳月をかけて研究開発の後作り出した新品種のお茶である。日本人にとってケニアでお茶が採取されるというイメージは持ちにくいであろうが、実は厳しい自然環境下でもお茶が生育することは十分可能である。

また環境が厳しければ厳しいほどポリフェノール類などの有効成分含有量が高くなることが多く、ケニア産のお茶はヨーロッパでは有名で、そのほとんどは品質の高さからフランスに輸出されているという。

紫茶はその名前の通り茶葉もいれた後のお茶も美しい紫色だが、この紫色には想像以上の豊富な抗酸化成分が含まれているという。紫茶は葉の先端になるほど濃い紫色をしている。この紫色の成分こそがポリフェノールの一種、アントシアニンである。アントシアニンといえばブルーベリーなどのベリー系に豊富に含まれることが知られる、こうしたお茶でも摂れる。

ポリフェノールGHG が多く含有

紫茶はケニアの赤道直下、地上より1,500?2,000メートルの高地で栽培されているため、ポリフェノールの含有量が、烏龍茶の2倍以上、緑茶の1.8倍以上と豊富で、フリーラジカル(活性酸素)を消去する割合も紅茶、烏龍茶、緑茶よりも1.5〜2倍程度高い。

紫茶に一般的なお茶には含まれていない特有のポリフェノールGHG が多く含まれる。オリザ油化鰍ナは、この成分に優れた抗酸化、抗肥満・ダイエット作用、皮膚老化抑制作用があることを確認したという。

マウス実験で、体重増加が抑制

マウスを用いたオリーブオイル負荷試験(マウスにオリーブオイルを経口投与し、血中の中性脂肪であるトリグリセリドを測定する試験)では、紫茶エキスに強い脂質吸収抑制作用が示されたが、同じ濃度に調整した市販のトクホ烏龍茶エキスよりも強い効果であった。

またマウスに高脂肪食を摂取させて肥満モデルでの試験も実施した。比較群は高脂肪食のみ、比較対照群には高脂肪食に加え紫茶エキスを投与してマウスの状態変化を観察した。結果、対照群のマウスの体重増加は抑制されており、普通食群と同程度の体重増加に留まった。また別の対照群であった某トクホ製品より高い効果を示した。

この高脂肪食によるマウス実験について更に詳細に調べると、紫茶投与群では血中だけでなく肝臓でも中性脂肪であるトリグリセリドの減少が確認されたという。  

ヒト試験で皮下脂肪の厚みに有意な減少

また脂肪燃焼作用については次のようなメカニズムが認められたという。脂肪細胞から分解・遊離した脂肪酸の一部は、肝臓に運ばれ肝細胞のミトコンドリアで、β酸化というものを起こし代謝される。

ミトコンドリアに脂肪酸が運ばれる際に、カルニチンや移送酵素であるカルニチンパルミトイルトランフェーゼと呼ばれる成分が機能している(肝細胞のCPT活性)。紫茶エキスとその特有成分であるGHGはこの肝細胞のCPT活性を高めることが判明、これにより紫茶エキスには脂肪燃焼作用があることが認められたという。

さらに、健常な男性11人、女性7人のヒトモニター試験を行ったところ、100mgの紫茶エキス、毎日4週間継続摂取では、体重は18名とも大きな変動はなかった。しかし皮下脂肪の厚み(二の腕と腹部)については男女共、特に女性に有意な減少が認められ、体脂肪においても男女共、特に女性において有意差を持って減少したという。

美肌・美白効果も期待

また紫茶の抗酸化作用の計測で、頬のコラーゲンスコアと水分量を計測したところ、男女ともに有意な増加が認められた。つまり減量効果だけでなく美肌効果に高い効果があることがわかったという。

美肌効果については、シミそばかすの原因となるチロシナーゼという酵素を抑制する効果が紫茶にはあることが分かり、紫茶には高い美白効果まで期待できることも分かったという。

強い紫外線照射の環境下で育った特別なお茶

お茶は健康飲料の代表格として国内でも定着している。抗酸化、血圧上昇抑制、血糖上昇抑制、抗ウイルス、脂質代謝改善、抗アレルギーなどさまざまな有効性が確認されているが、お茶のなかでも紫茶は紫外線照射がかなり強い環境下で、さらに無農薬で栽培されている特別なお茶である。

見た目に美しい赤紫は特に女性に喜ばれるだけでなく、味は極めて緑茶に似ていて癖がないため男性にも自信を持って進められる。新たな健康茶のバリエーションとして今後日本で取り扱いが普及すれば、多くの人の健康と美容に役立つ新しいお茶として話題になるのではないかとした。


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