現代人は細胞を汚染しやすい生活を送っている
薬や添加物といった本来人体に不要な物質は細胞に何らかの悪影響を与えている。それらが細胞だけでなく細胞膜にどのような影響を与えているかについて知る必要がある。
現在、日本では生活習慣病の患者が溢れ、世界的に見ても薬漬けで、国民皆保険はもはや破綻状態といわれている。国民一人ひとりが「健康」を自分のこととして考えるべきだと神津氏。
世界的に有名なアメリカの細胞生物学者であるブルース・リプトン氏の研究で、そもそも細胞は栄養素には飛びつくが汚染物には飛びつかないようにできている。にもかかわらず、私たちは薬を中心に多種多様な化学物質を取り込み、細胞を汚染しやすい生活を送っている。
この現象は胎児にまで及んでいることも近年報告されている。健康な胎児を育むために必要な栄養素を送る「へその緒」からも数々の汚染物質が検出されている。
奇形精子、インスタント食品と関連
つまり、現代人は生まれる前から汚染がはじまっていると神津氏は指摘する。また奇形精子も問題となっている。不妊の原因は女性にばかりあるのではない。
平均21歳の60名の男性の精子を調べたところ、正常な精子と判定されたのはわずか2名の精子にすぎなかったという報告もある。この調査に参加した60名の男性の普段の食生活はインスタント食品が中心であったという。
食と健康状態や精神状態の関係が指摘されるようになり、食生活を見直そうという動きは日本全国で高まっている。戦後、学校給食が広がり日本は飽食の時代を迎えたが、不幸にも栄養のアンバランスが起こっている。飽食だが必要な栄養が摂れない、足りないという飽食における栄養失調状態である。
しかし、いくつかの小中学校では給食を伝統的な和食にし、パン食を減らすことや玄米を導入することで、成績面や性格面で優れたプラスの効果を発揮しモデル校として知られるようになる例も増えている。
パン食だけではない。喫煙率の高い中学校などではやはりトラブルが多く、これは汚染物質を取り込んでいることとも関係しているのではないかと神津氏はする。
日本では毎日5〜6件の殺人事件が起こり、90人以上が自殺で命を断っている。こうしたことも食生活と関係していると疑わざるを得ない。これらの関連性が明らかになるにつれ栄養療法に注目が集まっている。
重要なのは細胞の核よりも膜
栄養を必要とするのは私たちの体や内臓のすべてを構成する細胞だが、細胞について知られていないことが多い、と神津氏。細胞とは私たちの生命や知性、エネルギーのすべてを司るが、重要なのは細胞の核よりも膜である。
細胞膜の50%はアミノ酸、残りの50%はリン脂質(レシチン)でできている。この細胞膜は細胞内への栄養の取り込み、そして細胞内の不要なものの排出という重要な役割を果たしている。
リン脂質は善玉だが脂質のため、これまであまり研究されてこなかった。しかしブルース・リプトン氏の研究等から、近年は細胞膜の重要性が明らかにされている。
核除実験から細胞膜の重要性が明らかに
例えば、核除実験で分かったことだが、細胞内の心臓と思われていた核を除去しても細胞は死なない。しかし細胞の膜を取り除くと細胞には栄養の取り込みと排出が行われないため死んでしまう。細胞は核がすべてではなく、膜がなければ栄養は核にも届かない。細胞膜のほうが核の脳となっている。
私たちは健康のため栄養素を取り込もうとするが、口から食べた物がすべて吸収されるという保証はない。核除実験から細胞膜の重要性が明らかになったが、どんな核酸食品やサプリメントを摂取するにもリン脂質を一緒に摂取することで吸収が高まる。
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