10年の歳月をかけて開発
同社は麦焼酎「いいちこ」で知られるが、麦焼酎の製造過程で生じる焼酎粕、醗酵大麦エキスを利用することで新たな商品を生み出したと発表した。
「醗酵大麦エキス」は、大麦を「こうじ酵素」の力で分解、さらに酵母を加え醸造した「醗酵産物(=焼酎粕)」から、同社独自の技術で有効成分を抽出・濃縮した天然食品素材。
当初、醗酵産物の「大麦焼酎粕」は文字通り「カス」で、使用されることはなかった。しかし、この醗酵産物にアミノ酸、ペプチド、タンパク質、多糖類、大麦ポリフェノールなどが豊富に残存していることが分かり、10年の歳月をかけて商品化したという。
醗酵大麦エキスを与えると肝障害が軽減
実は、清酒をよく飲む東北地域では肝硬変の発症が少ない。ただ、焼酎は清酒に比べ、肝硬変のリスクが高い。これに同社は注目、清酒に含まれる体に良い成分のほとんどが、焼酎製造の過程で生まれ、破棄していた「焼酎粕」に残っていることが分かった。
この大麦焼酎粕のさまざまな試験では、肝障害抑制、血清尿酸値低減、抗酸化、免疫調整、乳酸菌増殖促進などの作用が示されたという。
アルコール性肝障害の抑制効果については、アルコールを加えた餌をラットに与えた。するとやがて肝障害を起こした。しかし、別のラットにアルコールを加えた餌に、醗酵大麦エキスを加えたものを与えると、アルコールと餌だけのラットに比べ肝障害の度合いが低くなったという。
醗酵大麦エキスが活性酸素を除去
このメカニズムについては研究中で、おそらく醗酵大麦エキスがアセトアルデヒトによる活性酸素を除去する酵素活性を起こしているのではないかと考えているという。
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