バイオブランの機能性、統合医療で世界的に注目〜バイオブラン研究会2014年国際大会
2014年4月6日(日)、コクヨホール(東京都港区)で、「バイオブラン研究会2014年国際大会」が開催された。国内から120名、海外22カ国から150名が参加、9名の医師や研究者による、バイオブランの基礎及び臨床における最新研究報告が行われた。


抗がん剤の化学療法との併用で効果を発揮

バイオブランは大和薬品鰍ノより、1996年に発売され、現在、世界50各国で機能性食品として愛用されている。特に医師や専門家から高く評価され、統合医療や予防医療分野で注目されている。

遠藤雄三氏(浜松医科大学腫瘍病理学 医学博士)は「医学医療情報におけるバイオブラン免疫調整効果の評価について」と題して講演。
「米ぬかの多糖由来の複合成分であるバイオブランを摂取することで免疫力や自然治癒力が向上したことが示される論文や実験結果がいくつも発表されている」と述べ、バイオブランの抗炎症、抗アレルギー、抗酸化、悪性腫瘍などへの作用について解説した。

また、バイオブランは丸山ワクチンにも似ているとし、「マウス実験で、抗がん剤にバイオブランを混ぜて投与すると、体重減少が低下するだけでなく、投与後の肉体的回復が早くなることが報告されている。生体防御システムを破壊しがちな抗がん剤を中心とした化学療法との併用で、特に効果を発揮する点でも注目されている」と述べた。

抗がん剤の副作用の軽減につながる

M.ゴーナム氏(アメリカ UCLA/Drew医科大学 神経生物学 理学博士)は、「バイオブランによる化学療法および放射線療法の副作用軽減効果」と題して講演。
ゴーナム氏は、バイオブランの研究を23年間行っているが、その強力な免疫調整作用には毎回驚嘆すると述べ、バイオブランの抗酸化、アポトーシスを促す作用など解説。従来のがん治療にバイオブランを併用した研究では、「再発率や2年後の生存率で、バイオブラン併用群のほうが優位な成果が得られている」と報告した。

また、「抗がん剤の使用量を1/100まで減らしても、バイオブランを併用することで、同様の効果が得られ、副作用の低減につながる」とした。

今回、ゴーナム氏は、バイオブランの放射線防御作用についても研究を行っており、「マウス実験で、γ線照射前にバイオブランを投与したマウスは、骨髄細胞密度およびCBC値などの増結組織の回復により、γ線照射に対する防御作用が確認された」と報告した。

Rupert Handgretinger氏(ドイツ テュービンゲン大学 Children's University Hospital 医学博士)は、「小児癌に対するNK細胞を媒介とした抗腫瘍治療におけるバイオブランの効果」と題して講演。

「バイオブランは乳がんや肝細胞がんをはじめとする腫瘍性疾患においてNK細胞の活性を高めることが明らかになっている」と述べ、小児癌についても、小児の白血病細胞株であるK562に、インターロイキン2(サイトカインの一種)を加えると細胞障害活性が促進されるが、試験管実験で、バイオブランを加えると、インターロイキン2を加えた時と同様の活性がみられた。また、小児の肝がん腫においても同様の望ましい結果が得られたと報告した。

NK細胞活性が明らかに亢進、自然免疫を活性化

Dana Cholujova氏(スロバキア Cancer Research Institute)は、「バイオブランが多発性骨髄腫患者の自然免疫を調整」と題して講演。

「バイオブランはNK細胞を活性化し、アポトーシスとサイトカインの産生を高める。また試験管内ではあるが、樹状細胞の成熟と分化を調整することが明らかとなっている」と述べ、多発性骨髄腫患者48名を対象にしたバイオブランの研究成果を報告。

バイオブラン投与群はプラセボ群と比較して、NK細胞活性の明らかな亢進がみられ、多発性骨髄腫患者の自然免疫を活性化することが示唆されたとした。

飯塚 啓介氏(医療法人社団啓神会  Aiクリニック院長)は、がん治療にバイオブランを使用した症例を報告。

67歳の男性で、がんのレベルはステージ4、がんの三大療法(手術、薬物、放射線)が難しい状態だったが、強化リンパ球輸血療法(ANK療法)、抗がん剤点滴、遺伝子治療、高濃度ビタミンC、心理療法、これにバイオブランを加えた療法を行った。

その結果、身体は正常化し、現在のところ再発もない。切除不能で、がんの中でも治療が難しいとされる膵頭部がんに対し好結果を得たとした。

フェリチンの値が低下

平良 茂氏(医療法人白寿会 理事長、統合医療ハートフルクリニック院長)は、バイオブランの疲労や代謝に与える影響についての検証を報告。 「罹患歴のない男性3名、女性2名に12週間バイオブランを1日に2袋(朝晩1袋ずつ、いずれも空腹時に)摂取してもらったところ、5人全員にフェリチンの低下が見られた」とした。

フェリチンは肝臓・脾臓・心臓など各臓器に存在し、内部に鉄分を貯蔵しているタンパク質で、一般的にがん患者はフェリチンの値が高いことが知られている。

今回、被験者は健常者であったが、バイオブランのがんへの作用の背景に、フェリチンの低下が示唆される、とした。

がんの標準療法の効果と患者のQOLを高める

Garth Harris氏(オーストラリア Comprehensive Health Pty Ltd.代表取締役)はオーストラリアでのバイオブランの使用状況を報告。

オーストラリアでは、バイオブランは2006年に流通しており、現在20種類のがん治療に用いられているという。「NHL(悪性リンパ腫)になると、免疫はほぼ失われ、精神的にも鬱状態になりやすい。しかしバイオブランは免疫を向上させるため、NHLにも役立つ」とHarris氏。

「ライフスタイル、食事、生活習慣、免疫の4つが特に重要。バイオブランの良い点は、がんの標準療法の効果を高める点と患者のQOLを高める点。この2つが巧く作用することで、がんになっても寿命を伸ばすことができる」とした。

52歳のNHLの女性の症例では、多くのリンパ節に転移が見られ、白血球も上昇していて、症状が悪化していたが、バイオブランを1日に2回、1回1袋を摂取したところ、QOLが向上し、落ち込みや知覚異常が改善され、リンパ球や白血球の値にも改善が見られたという。

パネルディスカッションでは、治療の際のNK細胞の活性についての議論がなされ、Harris氏が「オーストラリアでは独自のガイドラインがあって、白血球数だけをみるのが一般的」と指摘。

これに対し、飯塚氏は、「私はステージ4の患者には、必ずNK活性を測定する。ストレスが強いと、10%台まで低下していることも少なくない。いろいろな治療を始めるより先に免疫をあげることが大切と思い、バイオブランを加えている。免疫が低下したまま難民のようにさまよう患者さんをまず救い上げる必要がある」とした。

バイオブラン、耐性がつかず効力が上がり続ける

会場からは、「免疫が低下している人への効果はわかったが、免疫が亢進し過ぎている患者への影響はどうなのか」という質問が挙がった。これに対し、ゴーナム氏は「膠原病などの場合は免疫を下げる必要がある。そのためにバイオブランは低容量から投与して様子を見る必要がある」とした。

また、免疫を上げることについては、「ビタミンCでも良い。しかしなぜバイオブランなのか?それはバイオブランが他の物質と違い、耐性がつかないという特徴があるため。他の成分は摂取を続けると耐性がつき、効力が無くなる。しかしバイオブランは耐性がつかず、効力が上がり続ける。そのメリットを理解して欲しい」と述べた。


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