植物由来ニップンセラミドの皮膚保湿効果
〜ifia JAPAN第19回 国際食品素材展セミナー

2014年5月21日(水)〜23日(金)、東京ビッグサイトで、「第19回 国際食品素材/添加物展・会議」及び「第12回 ヘルスフードエキスポ」が開催された。同展示会セミナーから日本製粉株式会社の「ニップンセラミド(植物由来セラミド)の皮膚保湿効果と食品機能性」を取り上げる。


植物セラミド市場、20億円を突破

植物セラミドの市場規模は着実な右肩上がりを示しており、美容素材の枠を超え、健康素材としても注目を集めている。 市場規模はすでに20億円を突破しているが、2015年は25億円を越えると予測されているという。

一般的に「セラミド」と呼ばれるのは「グルコシルセラミド」のことで、これまでの研究から、経口摂取による皮膚保湿、アトピー性皮膚炎緩和、免疫賦活、結腸がん細胞でのアポートシス誘導、美白(メラニン生成抑制)などの作用があるとされている。

独自の抽出技術で、純度の高い製品に

そうした中、日本製粉では「ニップンセラミド」と名づけられた、RPS、RLG、CPの3種のセラミド素材を2000年より発売した。RPSは米胚芽由来で、白色粉末形状。RLGは米胚芽由来で水溶性製品のため、乳化剤として使用できる。CPはトウモロコシ胚芽由来で、低価格。

セラミドそのものは、例えばトウモロコシ10tから1kg程度しか生成できない。原料に対して含有量の少ない物質のため、日本製粉の独自の高度な技術で原料から余すことなく抽出し、純度の高い製品にしたという。

そのため、ニップンセラミドにはグルコシルセラミド以外の物質がほとんど含まれないのが特徴という。一般的には遊離脂肪酸などの不純物が含まれることが多いが、これは製品の酸化を引き起こす原因になるという。

またニップンセラミドは熱への耐性が非常に強く、180度の油で10分加熱してもほとんど壊れないという特徴がある。

多彩なphにも対応できる安定性があり、無味無臭であるため加工がしやすく、ドリンク、ヨーグルト、キャンディ、クッキー、惣菜と幅広い食品に機能的付加価値としてプラスすることが可能。

肌への保湿効果

またニップンセラミドは米由来でもトウモロコシ由来でも肌への保湿効果が認められているという。

健常者30名を10名ずつのグループA、B、Cに別け、Aには、ニップンセラミドRPS0.6mgとサラダ油を混ぜたカプセル、BにはニップンセラミドRPS1.2mgとサラダ油を混ぜたカプセル、Cにはサラダ油のみのカプセルをそれぞれのグループに1日2粒経口摂取した後の角質水分量の推移を測定した。

その結果、セラミドなしのCグループは角質水分量に変化がほとんどみられない、あるいは低下がみられたのに対し、AグループとBグループでは水分量の増加がみられただけでなく、摂取量の多いBグループのほうは2週間、4週間、6週間と時間が経過するにつれ明らかな優位差がみられたという。

1日1〜2mgが適量かつ十分な量

これはニップンセラミドのRLG 、CSでもほぼ同じような結果で、ニップンセラミドの経口摂取により肌の角質水分量が高まったことが分かったが、これらの実験でセラミド摂取の量を2mgと10mgにして比較した場合、角質の水分量、バリア機能の改善などの効果に有意差はなく、多く摂ればそれだけ良い効果が期待できるというものでもなく、2mg以上の摂取はあまり意味がないことも明らかになったという。

つまりセラミドの摂取量は1日1〜2mgが適量かつ十分な量であり、これを続けることが効果的ということである。ただ、経口摂取したセラミドが体内でどのようなメカニズムで皮膚に作用しているかはまだ研究中とした。


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