メタボ対策で期待、ブラックジンジャーの機能性〜食品開発展2014セミナー
2014年10月8日〜10日、東京ビッグサイトで、食品開発展2014が開催された。食品分野の研究・開発、品質保証、製造技術担当者向けの専門展示会として1990年よりスタートし、今年で25回目を迎えた。同展示会セミナーから丸善製薬鰍フ機能性成分「ブラックジンジャー」を取り上げる。


タイ王国で古くから食されてきた

ブラックジンジャーとはその名の通り「黒いショウガ」のこと。生産国は微笑みの国タイ王国で、クラチャイダムと呼ばれ古くから食されてきた。

特にタイ北部では農作業が盛んだが、農作業前後にブラックンジャーを煎じたお茶を飲むことで膝の痛みや腰痛を予防・緩和するとされていた。

タイ王国ではブラックンジャーがさまざまな加工食品として用いられる他、コーヒーなどの飲料にも添加されている。ここ数年でタイ王国では健康産業が急速に高まっており、サプリメントの原料としても使用されているという。

タイ王国政府科学技術省NIA局と契約、安定供給を

丸善製薬鰍ェブラックジンジャーをイチオシする理由は次の3つだという。1、タイ王国厚生省の認定素材、かつ「プロダクトチャンピオン」であること。 2、有効性が「感じられる」素材であること。 3、丸善製薬鰍ニタイ王国政府科学技術省NIA局との契約で安定的に素材を供給できること。

「プロダクトチャンピオン」とは、2004年にタイ王国の厚生省が国の健康産業の発展と国民の健康促進のために12種類のハーブを選出、ブラックジンジャーもその内の1つとして認められた。国民に愛されるだけでなく、国を代表する健康食品としてタイ王国もイチオシしている。

また丸善製薬鰍ヘタイの科学技術を推進する政府機関である科学技術省NIA局と契約を締結し協力することで、現地調査や原料評価なども行うことが可能となったため、より安全で良質な原料を安定的に供給することができるという。

自律神経が活性化し、代謝が高まる

ブラックジンジャーにはさまざまな機能性が期待できるが、なかでも脂肪燃焼のメカニズムが解明されつつあり、メタボリックシンドロームが増加傾向にある日本国民にとってもニーズが高いのではないかという。

一般的に、加齢に伴い脂肪が燃焼されにくくなり、太りやすくなる。これにはさまざまな要因が考えられるが、食べる量や運動量は変わらないのに太りやすくなるのは神経活動が加齢とともに低下することが大きく関与している、

つまり加齢による自律神経の低下が肥満と関係していると考えられる。自律神経の低下は代謝を低下させるだけでなく筋肉量の合成をも低下させる。しかしブラックジンジャー抽出物を経口摂取すると自律神経が活性化し、代謝が高まることが明らかになっているという。

ブラックジンジャーの抽出物を摂取すると、脂肪細胞内のcAMPが増加するという。cAMPはホルモン感受性リパーゼを働かせ、中性脂肪やコレステロールエステルを分解し、脂肪酸を遊離させるなどの働きをする。そのために脂肪分解だけでなく、燃焼にも繋がる、とメカニズムについて解説した。

除脂肪体重を増加させる作用も

この他、ブラックジンジャーには除脂肪体重を増加させる作用もあるという。除脂肪体重とは、筋肉・内臓器官・骨・水分などの体脂肪を除いた全組織のこと。体重が減少しても除脂肪体重まで減ると、基礎代謝が減少し、太りやすい体質になる。

しかしBMI値が24〜30の男性8名を被験者として、ブラックジンジャー抽出物150mgを配合した打錠品を一日1回昼食時に摂取させ計測をしたところ、4〜8週目で体重が体脂肪優位に減少しただけでなく、除脂肪が増加し、それにともない基礎代謝と脂肪燃焼量が明らかに増加したというデータが得られたという。

このブラックジンジャーの抽出物150mgを3ヶ月摂取することで平均1.5kgの減量を示したという結果は、体重が50kgの30代女性が3ヶ月間、毎日1時間の散歩をした消費エネルギーにも相当するという。

cAMPの増加作用と交感神経の活性作用を併せ持つ

ダイエットサポート成分として優れた機能性を持つとされる「コレウスフォルスコリ」にはcAMPの増加作用が、また「カプサイシン」には交感神経の活性作用が期待されているが、ブラックジンジャーはこの2つの作用を併せ持つ食品で、日本市場においても高いニーズが期待されるのではないか、という。

安全性についてはタイでの食経験が豊富なだけでなく、すべての抽出物で安全性試験、毒性試験などが完了しており、中毒性もなく極めて優良な素材であるという。リバウンドしないダイエットサポート成分として日本でも広まって欲しいとした。


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