米国は先進国の中でも人口増加国
日本の高品質なサプリメントや機能性食品・成分を海外に輸出しようと考える企業が増えている。ジャパンブランドは世界的に人気が高いため、うまく行けば大きなリターンを得ることができるという。
しかし日本と海外では市場や制度が大きく異なる。グロービッツFDAコンサルティングでは、海外から日本に健康食品などを輸入、あるいは日本から特に米国に輸出する際のコンサルや窓口を行っている。その蓄積したノウハウから、今後日本から米国に輸出する際、どのようなことに留意すべきかを解説した。
米国はさまざまな人種の人々が生活し、多様性に富み、フレキシブルである。特に老舗でなければビジネスを受け入れないということもない。どのような企業にも平等にチャンスがあり、市場は非常にオープン。最も魅力的なのは、米国は先進国の中でも数少ない人口増加国であること。
米国は「階級社会」
人口の縮小に歯止めの利かない日本の企業が米国への事業展開に成功すれば、利益は大きい。特にサプリメントの市場は、米国は日本の180億ドルを遥かに上回る320億ドル突破で、サプリメントに対する認知、ニーズも非常に高い。
そんな米国市場だが、日本と最も異なる点は「階級社会である」ということ。
例えば、日本のスーパーやドラッグストアで購入できるサプリメントや健康食品は、ほとんどの百貨店で購入できる。逆に高級百貨店で購入できるもののほとんどをスーパーやドラッグストアで購入することができる。
しかし米国では高所得者、中所得者、低所得者で明らかに住むエリア、使用するスーパーが異なり、取り扱う商品ラインナップも大きく異なる。
特に国土の広い米国では、住むエリアで気候、文化、人種、宗教まで大きく異なるため、どのエリアでどのターゲットに届けたい商品なのか、事前のマーケティングが重要になる。
米国は「使い捨ての文化」
また、階級の違いに関係なく、日本は良いものを長く大切にする「匠の文化」が根底にあるが、米国は「安くてある程度使えればいい」という「使い捨ての文化」に生きているため、商品のメリットについて日本では伝わることでも米国では理解されないことが多い。
米国で期待されているマーケット
こうした背景の中で、現在米国で期待されるマーケットは主に2つ。1つが「アンチエイジング市場」。米国ではパブリックの場で女性に年齢を聞くことはタブー中のタブーだが、日本よりも「若さ、美しさ、強さ、裕福さ」を重視しており、外見も非常に重視されている。
そのためアンチエイジングに関する市場は右肩上がりで留まるところを知らない。もう1つが「オーガニック市場」。無農薬、化学肥料不使用、地球に優しいといった宣伝文句は米国において十分な市民権を得ている。
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