イチゴ種子エキス、パウダーや液体として開発
世界中で食されているフルーツのイチゴ。日本では年間約20万トンの生産があり、栃木、静岡、兵庫、福井、奈良などが主な生産地として有名である。イチゴはビタミンC、ポリフェノールのアントシアニン、フラボノイドなどが豊富で、健康機能についても盛んに研究されている。
しかし、イチゴ種子に限定した研究はほとんど行われていない。オリザ油化では、イチゴ種子からフラボノイドであるチリロサイドを主とした機能性成分を多く含む「イチゴ種子エキス」の抽出に成功し、パウダータイプや化粧品として使用できる液体などの開発に成功したことを報告した。
イチゴ種子エキスの美容効果
イチゴ種子エキスはすでにダイエット機能が確認されている。今回同社では、美容効果に関する最新の研究について報告した。
肌の保湿やバリアー機能を担う成分といえばセラミドが有名。他に、天然保湿因子のもとになるフィラグリン、角層の強度を高めるインボルクリンなどがある。
セラミドは肌の角質層と有棘層に多く存在し、セラミドの前駆体であるグルコシルセラミドは顆粒層に存在する。天然保湿因子、つまりバリアー機能の元になるフィラグリンは肌の角質層と顆粒層に、角層の強化担当のインボルクリンは角質層、顆粒層、有棘層のいずれにも存在する。
角質層のセラミドや顆粒層のグルコシルセラミドを増加
イチゴ種子エキスは経口投与でも塗布でも、皮膚やバリアー機能の維持や強化につながることはすでに臨床試験でわかっている。しかし、それがどのようなメカニズムで働いているのか、今回は「ヒト表皮三次元培養モデル」を使用し、実験が行われた。
イチゴ種子エキスにはチリロサイド以外にもケンフェロール3-O-グルコシドなどの機能性成分が含まれているが、イチゴ種子エキスが総合的に肌の保湿に働きかけているのか、それとも特異成分であるチリロサイドによるものなのかを調べるため、「ヒト表皮三次元培養モデル」を2つ用意し、イチゴ種子エキスとチリロサイドのそれぞれを添加し5日間変化を考察した。
その結果、角質層のセラミドも顆粒層のグルコシルセラミドも、どちらのエキスでも有意に増加する結果が得られたという。
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