パラチノースとはハチミツに微量に含まれる天然の糖質で、砂糖の主成分であるスクロースに微生物が持っている酵素を作用させ、ブドウ糖と果糖の繋ぎ方を変えることで作られている。
パラチノースは砂糖に非常によく似たさっぱりしとした甘さであるにも関わらず、甘味の強さは砂糖の約半分で甘過ぎない「さっぱりとした甘さ」が特徴。
パラチノース、食品として30年以上も使用されている
パラチノースは天然の糖質であるため、特定保健用食品の成分としては「虫歯の原因になりにくい食品」として既に認められており、国内では食品として30年以上も使用されている。
カロリーは砂糖と同様1gあたり4kcalだが、砂糖や炭水化物に比べ小腸での分解が非常に緩やかで、パラチノースの消化・吸収速度は砂糖の1/5程度であることがわかっている。
またパラチノースと同時に摂取した他の糖質や炭水化物も、パラチノースのおかげで単体摂取するよりも消化・吸収の速度を下げる効果もある。
しかしながら、現状はパラチノースそのものが販売されていることはほとんどなく、パラチノースを摂取したい場合は、パラチノースの添加された食品を選ぶしかない。
砂糖代わりに使用したい場合は、パラチノースと砂糖が混ざった甘味料が販売されているので、それを使うのが一般的だという。
よく噛むことは血糖値の上昇を抑える
パラチノースを使用する以外に「スローカロリー」にする方法はいくつかある。まずはすでに有名になっている「ベジタブルファースト(野菜から食べる)」。
血糖値の急激な上昇を抑える食事療法としては、食べる順番を「野菜→たんぱく質→最後に炭水化物」にすること。
そして「よく噛むこと」。よく噛むことによって消化管ホルモンの一種である「インクレチン」の分泌が高まり、このインクレチンが高血糖を改善する作用を持っているため血糖値の上昇を抑える。
糖質の吸収をスローにする
もちろんよく噛むためには、食材を大きめに切って調理する、歯ごたえのある食材を調理する、といった工夫も必要だ。また食材としては食物繊維が豊富な海草類、キノコ類、乾物類、こんにゃくなどを選ぶこと。
野菜であれば根菜類、ご飯であれば雑穀米や玄米を選ぶことがポイントとなる。また砂糖については上白糖よりも黒糖やきび砂糖のほうが血糖値はあがりにくい。
また善玉菌を増やし腸内環境を整える「ガラクトオリゴ糖」や「フラクトオリゴ糖」などを選ぶことや、砂糖の変わりにパラチノースを利用した加工食品などを選ぶことが効果的だ。
いずれにせよ、糖質をカットするのではなく、糖質の質を見極める、糖質の吸収をスローにすることで、私たちの健康状態はまだまだ改善できる、と話した。
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